動物の環境と内的世界

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  • サイズ A5判/ページ数 491,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622076889
  • NDC分類 481
  • Cコード C1010

出版社内容情報

20世紀前半の生物学に〈環境世界〉という画期的なパラダイムを導入したユクスキュルの主著。専門生物学の枠を超えた思想書、哲学書としての性格をもち、その革新性は遠くサイバネティクス、動物行動学、カオス‐複雑系から人工生命までを射程に収める。生物進化の一元論を退け、有機体の多元的な適応機能を詳述する。機械論的な生命観を刷新し、生物学に認識論的基礎を与えた、現代の古典。

内容説明

動物の“環境”は動物の身体という(内的世界)によってひとつの全体へと統合されている。自然淘汰による生物進化から、自然と生物を結ぶ機能の複雑化へ。生物学に認識論的基礎を与えた主著。

目次

原形質問題
アメーバ
ゾウリムシ
機能環
イソギンチャク
クラゲ
ウニ
クモヒトデ
スジホシムシ
ミミズ〔ほか〕

著者等紹介

フォン・ユクスキュル,ヤーコプ[フォンユクスキュル,ヤーコプ][Von Uexk¨ull,Jakob]
Jakob Johann Baron von Uexk¨ull。1864年9月7日、当時ロシア領だったエストニアのレヴァール(今日のタリン)近郊で、レヴァール市長であったアレクサンダーの三男として生まれる。ユクスキュル家はドイツ騎士修道会に参加して封土を得た男爵家で、十三世紀まで遡るバルト・ドイツきっての名家である。高校時代に一生を通じての指針となるカント哲学に出会った。地元のドルパート大学で動物学を専攻した後、当時支配的であったダーウィニズムに飽きたらず生理学に転向し、1888年以降ハイデルベルク大学に遊学して研究を続ける

前野佳彦[マエノヨシヒコ]
1953年福岡県生れ。74年東京大学法学部中退。79年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。80~84年シュトゥットガルト大学・ロンドン大学付属ワールブルク研究所に留学。84年シュトゥットガルト大学哲学部博士学位(Dr.phil.)取得。現在、博士後期課程大学院生を中心に「文化記号塾」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

4
ダーウィンは環境と生物は別と考えるゆえに環境の適応から生存を定義した。が、無垢の生命など存在せず、生物は個々の環世界を持つことですでに適応していると著者はいう。この主張は動物行動学に影響を与え、実存哲学に歓迎された。が、この点を真理を巡る争いと見るよりも、原形質に始まる詳細な実験と観察を注視し、DNAの性質という観点(デジタル記述をアナログ表現する)から進化論に環世界を組み込む生命記号論が出てきた点に目を向けたい。変容しつつ主体概念が保持される環世界を反証する仮説が課されるほど、本書は科学的に読まれうる。2017/09/16

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