内容説明
人間の生は合理的な認識よりも反論理的なパトスに支配されている。生命と環境の相互関係をパトスの様相のうちに求め、個人の心身と病理から社会の臨床へいたる壮大な“医学的人間学”の全貌。
目次
第1部 存在とパトス(自然の魔性;客観の悪意 ほか)
第2部 病気論総論の構想(食と性;ノイローゼ、ビオーゼ、スクレローゼ ほか)
第3部 病気論各論の構想(病理学/パトス学各論;生活史法)
第4部 百科全書の試み(人間学的形式からパトゾフィー的形式へ;芸術的表現と科学的表現 ほか)
著者等紹介
ヴァイツゼカー,ヴィクトーア・フォン[ヴァイツゼカー,ヴィクトーアフォン][Weizs¨acker,Victor von]
1886‐1957。ドイツに生まれる。代々プロテスタントの牧師、神学者、学者の家系であった。1904年テュービンゲン大学医学部に入学、のちフライブルク大学やハイデルベルク大学で生理学・哲学・内科学を学ぶ。1909年医師国家試験に合格。第一次大戦で野戦病院に配属中より神経学の研究をはじめる。1920年以後ハイデルベルク大学の内科神経科部門部長。のちに教授となり医学的人間学の構想をいだくとともに臨床的・実験的研究を続ける。第二次大戦後、ハイデルベルク大学の「臨床医学総論」講座主任教授
木村敏[キムラビン]
1931年生まれ。1955年京都大学医学部卒業。京都大学名誉教授。河合文化教育研究所主任研究員。精神病理学専攻。1981年第3回シーボルト賞(ドイツ連邦共和国)、1985年第1回エグネール賞(スイス、エグネール財団)、2003年第15回和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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