内容説明
アランの「哲学史」―といっても、均等な時間区分に従って哲学者とその思想を概説し、展覧したものではない。エッセイ風の哲学案内でもない。古代ギリシャから、デカルト、スピノザ、ライプニッツ、ヒューム、カント…アランはそれぞれの哲学者たちから、ひとつの「精神」を抽出してみせる。それらは、みずからの宇宙を完結しているようでいて、つぎの精神へと扉をひらき、道をつける。おのおのの「精神」を珠として、一本の糸で貫いたような趣がある、不思議な、小さな書―。圧巻は、その糸を留める要をなすオーギュスト・コント。現実のなかに身をおき、その支配をうける人間が堅牢で普遍の外的秩序を無視するとき、その知性はあてのない混迷に陥る―コントの実証哲学をつうじて、20世紀の形而上学的迷走を厳しく指弾する。
目次
タレスとイオニア学派
ピュタゴラス
エレア学派
ヘラクレイトス
エンペドクレス
アナクサゴラス
原子論者たち
ソフィストたち
ソクラテス
プラトン
アリストテレス
ディオゲネス
ストア派の人々
エピクロス
キケロ
宗教的な哲学について
デカルト
スピノザ
ライプニッツ
ヒューム
カント
オーギュスト・コント
著者等紹介
アラン[アラン][Alain]
1868‐1951。本名Emile Auguste Chartier。1868年ノルマンディーに生まれ、ミシュレのリセ時代に哲学者J.ラニョーの講義を通して、スピノザ、プラトン、デカルト、カント、ヘーゲル等を学ぶ。エコール・ノルマル卒業後、ルーアン、アンリ4世校などのリセで65歳まで教育に携る
橋本由美子[ハシモトユミコ]
1956年鳥取県に生まれる。同志社大学文学部卒業。中央大学大学院哲学専攻博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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