野生の樹木園

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  • サイズ B6判/ページ数 165p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622073000
  • NDC分類 974
  • Cコード C0097

内容説明

北イタリアの山里に暮らす巨木のような作家が、親しい樹木をめぐる経験と思索を語る、簡潔にして剛毅なエッセイ。絶賛された『雷鳥の森』に続く待望の一冊。

目次

カラマツ
モミ
マツ
セコイア
ブナ
ボダイジュ
イチイ
トネリコ
カバノキ
ナナカマド
クリ
オーク
オリーヴ
ヤナギ
クルミ
ポプラ
リンゴ
カエデ
クワ
サクラ

著者等紹介

ステルン,マーリオ・リゴーニ[ステルン,マーリオリゴーニ][Stern,Mario Rigoni]
1921年、イタリア北東部、プレアルプスのアジアーゴ高地に生まれる。雪のロシアからの退却行を記した第一作『雪の中の軍曹』(大久保昭男訳、草思社)は、世界15カ国で翻訳され、イタリアでは学校教育の必須の教材となっている

志村啓子[シムラケイコ]
1947年、神奈川県二宮生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

42
人生は木々と共にあった。何よりも自然から学んできた。100年を生きた森林の匂いから世界を知り、千年を超えた樹霊から叡智を感じ取ってゆく。戦争と強制収容所での生活を経験したイタリアの作家が齢70にもなる頃に執筆した、モミやマツ、ブナといった20の樹木に関するエッセイ。生活の糧として、神話の憑代として、回想の触媒として語られるそれは美しさと格調高さを備えながら、森の日陰のように澄んだ空気を携えている。瞼の裏で樹木が育ち形を成すような名文。我々がどこへ行くのかはわからないが、どこから来たのかを教えてくれている。2016/07/03

seacalf

41
北イタリアの作家リゴーニ・ステルンが紡いでくれるのは、サクラやブナ、ヤナギ、クリ、クルミ、カエデなど我々にも馴染み深い20種もの木々にまつわる多岐に渡る物語。生態、神話、伝承、効能、古来からの活用法、そして甘く、時に苦い作家自身の胸の内から語られる思い出の数々。博覧強記な作家から紐解かれる知識の多さに舌を巻き、現代よりもっと身近に木と共に生きた先人達の知恵に驚嘆し、その生活を羨む。作者のような導き手がいると自然観察は俄然楽しくなる。春に芽吹いた庭木の花達をひとつひとつ教えてくれる祖父と作者の姿が重なる。2019/05/17

ぱせり

14
野生の樹木園は、嘗て激戦地だった。第二次大戦の後、作者はここに帰ってきた。一度破壊された森は元には戻らない。この樹木園も、作者が生涯をかけて育て上げたもの。一本一本の樹に物語がある。木々が何かを語るわけではない。でも木々の声を期待して待ってしまう。畏敬を込めて。本から聞こえる静けさに耳をすましている。 2014/11/08

_

12
さつきとメイのお父さんの本棚にはこういう風な本が並んでいるんだろうな、と思いながら読んだ。紹介されているのはカラマツ、モミ、ブナ、クリ、オーク、サクラなど身近な樹種がおおい。木にまつわる小説や詩、材としての利用、薬効、食べ頃など書斎からの知識に加え、庭木として育てた感触、その場その場の木に刷り込まれた思い出(戦時中の話が特に面白い)がフットワークの軽く且つ骨太な語りで楽しめる。その土地の木について語るということは、そこに住む人たちの生活を語ることでもある。そんな時代がすぐそばにあったのだな、という気分。2012/09/02

みけのすずね

9
この木はね…と教えてくれる人が、今身近にいるだろうか。著者が20の木を選び、生態や歴史、使い道や木にまつわる神話まで語ってくれる。第一次世界大戦の戦禍の跡にこれらの木々が育っていった。木にはお世話になっているけれど、これほど様々な薬効があり、また神話に現れるほど昔から存在していることを知るにつけ、自生する木々を仰ぎ見ます。2017/04/23

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