モーツァルト『フィガロの結婚』読解―暗闇のなかの共和国

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  • サイズ B6判/ページ数 337p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622072997
  • NDC分類 766.1
  • Cコード C1073

出版社内容情報

楽譜の分析もふんだんに盛り込み、音楽・文学・思想などジャンルを横断して、《フィガロ》に隠された秘密と魅力を読解する。

内容説明

男女の結びつきが家父長制と宗教に縛られ、男性成人のみが家長の資格において政治社会のメンバーと認められた近世身分制社会に、フィガロとスザンナという政治的公共圏の外に追いやられた二人を物語の中心に据えた、フランスの戯曲作家ボーマルシェの『フィガロの結婚』。この作品が胚胎する身分制的・世襲制的な秩序の解体へのエネルギーを、ダ・ポンテの台本とモーツァルトの音楽は、意志的に作られた新しい公共的な世界としての「共和国」への飛翔へと、みごとに解き放ってみせた。その途方もない新しさは、どのような音楽的超琢によって生み出されたのか。リブレットとスコアにつねに立ち戻りながら、戯曲とオペラ両作品の繋がり、そして懸隔を確かめ、オペラ『フィガロの結婚』の魅力と秘密を、詳細かつダイナミックに描いた、類のないテクスト読解。

目次

1 プロローグ―どのようにアプローチするのか
2 抗争的世界の創出
3 『フィガロ』の「社会」―身分・アイデンティティ・性
4 女たちの闘い
5 家族の誕生―対立関係の解消
6 暗闇のなかの「共和国」
7 エピローグ―「啓蒙」のテクスト、「啓蒙」のオペラ

著者等紹介

水林章[ミズバヤシアキラ]
1951年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。パリ高等師範学校ENS‐Ulm留学。パリ第七大学テクストと資料の科学科博士課程修了。第三期課程博士。博士(学術)。上智大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

dolce-vita

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主従、男女、力関係の転換に注目。ひじ掛け椅子な効果。初演は1786年フランス革命の3年前。2015/10/12

こと

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卒論参考文献として。 戯曲とオペラの比較、モーツァルトの音楽表現における表象への推考、戯曲テクストと18世紀の啓蒙背景の親和性等。 18世紀ヨーロッパの啓蒙思想にも興味が出る内容があったし、著者の作品との向き合い方に触れることで、芸術作品の見方が広がった。 勉強にもなったし、著者の文章でここは絶対テンション上がっているところだなというのが伝わってきて、目の前で作品の良さを伝えられているかのように臨場感があって楽しく読むことができた。 2020/09/27

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