出版社内容情報
方言学や言語地理学にも
イタリア半島の西に位置するコルシカ島。コルシカ島は険しい山が多く、北西から南東へと連なる山脈によって各地域の往来が難しかったことから、島で話される方言は、音声、形態、語彙などにおいて多様である。コルシカ語は、多数の方言が認められており、そのまとまりによる「多規範的言語」が特徴である。現在、コルシカ語は、世代間で継承されることが少なく、ユネスコから「危機に瀕する言語」に指定されている。
本書は、まずコルシカ語の歴史を五つに分けてたどり、つぎに社会言語学の面から解説する。さらに言語の特徴、方言について詳しく見てゆく。方言学や言語地理学にも格好の題材を提供することだろう。
内容説明
ユネスコによって「危機に瀕する言語」に指定されているコルシカ語。コルシカ語には単一の標準語が存在せず、音声、形態、語彙などにおいて、多数の方言が認められ、そのまとまりによって成り立っている。本書はその歴史、特徴、方言などを概説する。
目次
序章 言語か、方言か
第1章 イタリア・ロマンス語圏への編入―時代区分
第2章 社会言語学的側面
第3章 言語的特徴
第4章 方言区分の基礎
第5章 諸方言圏
第6章 層位化―子音弱化の現状
展望
著者等紹介
ダルベラ=ステファナッジ,マリ=ジョゼ[ダルベラステファナッジ,マリジョゼ] [Dalbera‐Stefanaggi,Marie‐Jos´e]
1947年コルシカ島アヤッチュ市生まれ。1987年、博士論文『コルシカ語の単一性と多様性』により国家博士号を取得。1982年から2015年までコルシカ大学教授をつとめ、『コルシカ語データバンク』、『新コルシカ語言語地図』を監修した。著書多数。現在、コルシカ大学名誉教授
渡邊淳也[ワタナベジュンヤ]
1967年大阪市生まれ。1992年筑波大学第一学群人文学類卒業。1997年筑波大学大学院文芸言語研究科退学。1997年から1999年高等社会科学研究院(EHESS)に留学。2003年筑波大学にて「博士(言語学)」を取得。玉川大学助教授、筑波大学准教授を経て、東京大学総合文化研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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