出版社内容情報
『ラシーヌ論』に向けられた「詐欺」呼ばわりに対して、反批判として書き上げられたバルトの批評原論とでもいうべき著書。
内容説明
本書はただ単に、期限切れの論争に打たれた終止符であるだけでなく、解釈の核心問題とのかかわりにおいて、われわれの文化に起こっている本質的な変容に光をあてた著作である。
著者等紹介
バルト,ロラン[バルト,ロラン][Barthes,Roland]
1915‐1980。1915年生まれ。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった
保苅瑞穂[ホカリミズホ]
1937年、東京に生まれる。東京大学文学部フランス文学科卒業、同大学院人文科学研究科フランス語フランス文学専攻博士課程中退。東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、獨協大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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燃えつきた棒
33
本書の第一部は、著者の『ラシーヌ論』に対するレーモン・ピカールの批判への反論として書かれたものであり、『ラシーヌ論』が未読なので、今ひとつピンと来なかった。 どうやら、新批評の方法を具体的に知るには『ラシーヌ論』を読む必要がありそうだ。/ 【作品は、構造上、いくつもの意味を同時に持つのであって、作品を読む人々に欠陥があるためではない。作品が象徴的であるのはこの点においてである。象徴とはイメージではなくて、意味の複数性そのものである。】 2021/10/30
べんざカバー
1
数年ぶりに読んだけれども、やっぱり、とても好きな本で、自分の考え方の基調になってるな~あははというかんじ。万人におすすめです。2021/07/22
水野洸也
1
バルトの異なる一面が見られて楽しかった。しかし「批評と真実」とは、なんとも皮肉が効いている。2018/02/24
NICK
1
なんとなく図書館で流し読み。バルトの中でも一際痛快なテクストではなかろうか。第一部は旧来の「もっともらしい」批評に対する批判。これが快刀乱麻の語り口で楽しさすら湧いてくる。第二部はバルト流の「批評とは何か」。批評の言説とはどういうものか、批評と読書の違いとは、など、見所たっぷりである。「象徴」どうこうがよく飲み込めなかったのがちょっと悔しい。再読する機会を設けてみたい。2010/07/01
flux
0
「象徴するもの・象徴されるもの」「主体と言葉」といった対比が後半展開され、とりわけエキサイティングで興味深かった。2016/11/16




