はるかなる視線〈2〉 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 p204/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622071921
  • NDC分類 389.04
  • Cコード C1010

内容説明

本書のタイトル「はるかなる視線」とは、世阿弥の“離見の見”に触発されたタイトルである。文化人類学とは、観察者のネイティブな文化とは異なった文化の研究であるが、同時に、みずからの文化への反省である。著者にとっては、カルテジアン文化の深化の試みでもあるのだ。そして著者は、多様な題材をとおしてそれを提示してみせる。『神話論理』以後の新しい視座と可能性を示した本書は、たえず前進しつづける著者の学問への態度によって、われわれに新鮮な感銘をあたえる。

目次

環境と表象(言語学の教訓;宗教・言語・歴史―フェルディナン・ド・ソシュールの未刊原稿をめぐって;神話の可能性から社会的実存へ)
信仰・神話・儀式(宇宙性と分裂病;神話と失念;アメリカのピタゴラス ほか)
拘束と自由(ある瞑想的画法;ある若き画家へ;ニューヨーク・あと追いと予示の町 ほか)

著者等紹介

レヴィ=ストロース,クロード[レヴィストロース,クロード][L´evi‐Strauss,Claude]
1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935‐38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。1941年からニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチで文化人類学の研究に従事。1959年コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設。1982年退官。アカデミー・フランセーズ会員

三保元[ミホモト]
1932年、神戸に生まれる。1957年、パリ大学文学部卒業。1957‐74年、日本放送協会国際局に勤務。元国際基督教大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

4
感じることと知ることは自然において連続するが、文化において離散する。ヒトの進化を頂点と見なす遺伝学や医学が生物学的進化と文化的進化を混同し、人為=政治化する現状を批判する著者は、本書で、多様な言語、生活様式、文化の異なる者たちと交渉し、相互に「適応」しつつ形成される神話への視線を、エルンスト等現代美術に向ける。著者は芸術家が「自由に大胆に、のびやかに動く」中間領域/変換群に導く点に自由を見出す。原題Le regard éloignéは演者が観客の目で見る必要を説いた世阿弥の「遠いまなざし」に発するという。2018/08/11

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