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内容説明
創造の源泉とは？芸術の普遍性とは？現代文化人類学を率い、２０世紀ヨーロッパ精神を代表する知性の一人が、人間的な魅力豊かに、「思考の快楽」にいざなう。
目次
プッサンを見ながら
ラモーを聴きながら
ディドロを読みながら
言葉と音楽
音と色
事物への眼差し
著者等紹介
レヴィ＝ストロース，クロード［レヴィストロース，クロード］［Ｌ´ｅｖｉ‐Ｓｔｒａｕｓｓ，Ｃｌａｕｄｅ］
１９０８年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。１９３１年、哲学教授資格を得る。１９３５‐３８年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。１９４１年からニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチで文化人類学の研究に従事。１９５９年コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設。１９８２年退官。アカデミー・フランセーズ会員
竹内信夫［タケウチノブオ］
１９４５年生まれ。東京大学文学部助手、明治学院大学専任講師、東京工業大学助教授、東京大学教養学部教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授（超域文化科学専攻）。フランス近代詩、とくにマラルメの専門的研究に従う傍ら、１９世紀西欧の東洋学史を比較文化学的視点から研究。空海および日本悉曇学史にも関心をもつ（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
9
１９９３年初出。カラー写真で絵画も掲載される。ゲルチーノ１枚、プッサン３枚。プッサンの名文句―「こいつにも居場所を見つけてやらなきゃ」、「私は何も無視しない」は、小石や土くれ、木の切れ端、苔や花々採集から得られた思想である（３５頁）。些細なものからの偉大な名句。われわれが関心をもつのは、画家がどのようにしてひとつの情景を描いたか（７０頁）。ディドロは、「絵画は持続するものであり、一瞬の状態を表すことしかできない」ので離散的情景しか提供できないとした（８０頁）。芸術史はアコーディオンの演奏の如し（８２頁）。2014/01/12
さえきかずひこ
4
絵画、音楽、文学について縦横無尽にレヴィ＝ストロースが語る。「言葉と音楽」の項では、彼もやはり音楽を言葉との類比関係で捉えようとする。音楽は言葉とどう似て、どう違うのか関心のある者としてはたいへん刺激的。「音と色」の項では、共感覚についても語っているが、ブルトンとの往復書簡が目を惹く（といっても込み入っていて意味がよく分からないのだが）。読み応えのある一冊。2016/06/22
メルセ・ひすい
4
13-29 赤03 人が､人なりに､人について、気づくとき･･･ ★絵を見る･音楽を聴く･文学を読む････ ２０世紀の偉人･･ 健斗･･ ﾖｰﾛｯﾊﾟ精神･･を具現するヒトです。 勿論､日本贔屓だし、人としての感性研ぎ澄まされた学識･･ 新しい学問だが民俗学・民族学から･･･文化人類学の大御所です。１００歳でついこの間まで おいででしたが･･ 写真集を除くと最後の著作です。 永久にご生存をと･･身勝手ですネ。創造の源泉とは。芸術の普遍性とは。現代文化人類学を率い、２０世紀ヨーロッパ精神を代表する知性。2010/03/09
roughfractus02
3
ヒト生命体が視聴覚中心に知的活動を行なう時、意味で分節した単語なる単位と音で分節した意味のない単位が同時に伝わるが、言葉では前者に、音楽では後者に重みづけする傾向がある。本書では後者の特徴を前面に押し出し、芸術作品を意味のない単位から読む。意味のある単位は線状的な文を成すが(連辞)、意味のない音の単位はそこにない他の音との差異においてそこにある(範列)。この考えから著者は、北斎の絵画を予め描こうとする景色の諸断片を配置したものと捉え、マネキンを先に作ってその人物絵画を描いたプッサンと同列に二次創作と呼ぶ。2018/08/14
不以
2
美しいものの源泉ってなんだろうね。旋律は単語をもたないから、文字を持たない民のパターンに満ちた芸術と似るというような話が記憶に残る。立ち止まって絵・音楽・劇を鑑賞した経験はないが、それでも読んでいて楽しかった。2015/01/17
