斬首の光景

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  • サイズ A5判/ページ数 275,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622070856
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C1010

出版社内容情報



ジュリア・クリステヴァ(Julia Kristeva)
1941年ブルガリアに生まれる。1966年、なかば亡命のようなかたちでフランスに渡る。初期には雑誌『テル・ケル』を中心に活躍し、ロラン・バルト、フィリップ・ソレルスらとともに現代フランス思想の潮流をになう一人となる。哲学、言語学、精神分析を大胆に応用し、「文学の記号論」を根本的に革新する。近年では女性問題、外国人問題に対する積極的な発言も目立つ。邦訳された主要著作として『ことば、この未知なるもの』(国文社)、『セメイオチケ』(せりか書房)、『テクストとしての小説』(国文社)、『中国の女たち』(せりか書房)、『詩的言語の革命』(剄草書房)、『恐怖の権力』(法政大学出版局)、『ポリローグ』(白水社)、『初めに愛があった』(法政大学出版局)、『黒い太陽』(せりか書房)、『サムライたち』(筑摩書房)、『彼方を目指して』(せりか書房)、『プルースト』(筑摩書房)他がある(原書刊行順)。

星埜守之(ほしの・もりゆき)
1958年、アメリカ合衆国ペンシルヴァニア州生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、白百合女子大学教授。訳書に、アンドレ・ブルトン『魔術的芸術』(河出書房新社、共訳)、パトリック・シャモワゾー『テキサコ』(平凡社)、アンドレイ・マキーヌ『フランスの遺言集』(水声社)、エリー・フォール『形体の精神 l』(国書刊行会)、『月光浴――ハイチ短編集』(国書刊行会、共編訳)などがある。

塚本昌則(つかもと・まさのり)
1959年、秋田県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、東京大学大学院助教授。著書に、『ポール・ヴァレリー『アガート』――訳・注解・論考』(筑摩書房、共著)。訳書に、J・ロビンソン-ヴァレリー編『科学者たちのボール・ヴァレリー』(紀伊國屋書店、共訳)、ラファエル・コンフィアン『コーヒーの水』(紀伊國屋書店)、ツヴェタン・トドロフ『日常礼讃』(白水社)、『月光浴――ハイチ短編集』(国書刊行会、共編訳)などがある。

内容説明

ブルガリア出身で、ロラン・バルトやフィリップ・ソレルスらとともにフランス現代思想界で中心的な役割を果たし、現在でもさまざまな問題作を発表し続けている「異邦の女」ジュリア・クリステヴァ。彼女がルーブル美術館の全面的な協力のもと、あらゆるイメージの根源に、「斬首」のヴィジョン(首の光景=決定的な場面)を探求した待望の美術・哲学論。クリステヴァは、デッサン(素描)という行為に、自らの母親の記憶から人類の黎明期につながる人間の普遍的な営みを見出す。それは、あらゆる宗教現象の起源となり、切断された頭部のイメージに結晶する。太古の人類における頭蓋骨崇拝から、古代神話のゴルゴン、そして聖ヨハネの首とキリストの顔が変成したビサンチンのイコンへ。さらには「残酷」そのものとして屹立する近代のギロチン、現代のアヴァンギャルド芸術に至るまで、恐怖と魅惑に満ちた120点の図版とともに、精神分析学、文化人類学、ギリシア正教を中心とした宗教学、さらにはフェミニズムに由来する膨大な知識を駆使して語られるその真実。

目次

デッサン、あるいは思考の速さ
頭蓋―崇拝と芸術
メドゥーサとは誰か?
真の似姿―聖なる顔
余談―分配・構成、形象・表徴、顔
理想的な顔あるいは現働化する予言―洗礼者聖ヨハネ
斬首
ギロチンから死刑発止まで
恐怖の権力
顔と限界の経験

著者等紹介

クリステヴァ,ジュリア[クリステヴァ,ジュリア][Kristeva,Julia]
1941年ブルガリアに生まれる。1966年、なかば亡命のようなかたちでフランスに渡る。初期には雑誌『テル・ケル』を中心に活躍し、ロラン・バルト、フィリップ・ソレルスらとともに現代フランス思想の潮流をになう一人となる。哲学、言語学、精神分析を大胆に応用し、「文学の記号論」を根本的に革新する。近年では女性問題、外国人問題に対する積極的な発言も目立つ

星埜守之[ホシノモリユキ]
1958年、アメリカ合衆国ペンシルヴァニア州生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。白百合女子大学教授

塚本昌則[ツカモトマサノリ]
1959年、秋田県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学大学院助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

15
クリステヴァって文学史とかではよく名前を聞くけれども、読んだのはおそらく初めてではないか。斬首について、書かれてある。男が女の首を(メドゥーサ)、女が男の首を(サロメ、ユーディット、一応ヴェロニカの聖骸布)は多いけれども、同性ってのは確かに少ない。そう考えると、去勢だとかのフロイト的な読みがあながち間違いでもないように思えてくる。斬首と訳されているが、本来は首の光景くらいな意。思った以上に、首、斬首のテーマが幅広い文学作品、絵画作品に認められる。2013/11/06

takao

3
ふむ2024/02/18

Rinopy

1
洗礼者ヨハネ(サロメ)とかユディットとか、西洋絵画にはおなじみの主題ですが、考えてみるとエロティックなイメージも含んでるよなあと…残酷とエロスは通じるところがあるのかも。現代のホラー映画とかにも結構影響与えているのでは…と思いました。2009/04/20

urza358

0
フランス的な、あまりにフランス的な絵画批評2009/04/10

ムッシュ

0
★★★☆☆2009/03/13

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