出版社内容情報
21世紀に入ったが、世界は平和になったとは言えない。近い将来に戦争が起きる危険が世界のあちこちにある。戦争や紛争を防ぐためには何をしなければならないかを追究するとき、ボスニアやコソボなど、旧ユーゴの問題は非常に示唆的である。
2001年9月11日の「同時多発テロ」やそれに続くアフガニスタン戦争、対イラク攻撃、パレスチナ問題などの中東・イスラム世界をめぐる紛争で、なぜアメリカがあのような一連の行動に出たのかを知る鍵もユーゴ紛争の中にある。
アメリカの軍事・外交政策が湾岸戦争から旧ユーゴ問題への対応を通じて形成されてきたことを知っていれば、今後の動向もある程度、説明できる。
ボスニアやコソボなどの紛争をくわしく見ることによって、現在の国際社会が抱える問題は何か、どうすれば解決できるかを考えて行こうと思う。
紛争解決における国際社会の失敗や歪みの後遺症はきわめて深刻である。いったいどのような後遺症が存在するのか。20世紀最後の10年間にスポットを当てることで、21世紀初頭の世界が抱える問題のルーツを明快に解き明かす。
千田善(ちだ・ぜん)
1958年岩手県に生まれる。東京大学教育学部卒業。ベオグラード大学政治学部大学院修士課程中退(国際政治専攻)。6年余のベオグラード生活を経て、現在フリーランスのジャーナリスト。91年からも2年半、スロベニアを拠点に各地で紛争の現場を取材。旧ユーゴスラビア生活は、のべ10年近くにおよぶ。現在も、日本と現地を往復しながら、国際政治、民族紛争、軍備管理問題などを精力的に取材している。週刊誌や新聞への寄稿、子ども向け図書執筆などと共に、NHKやテレビ朝日など、活字メディア以外にも活動の場を広げている。執筆・講演活動のほか、報道各社向けの通訳・翻訳(セルビア・クロアチア語-英語-日本語)も行なう。また、外務省研修所講師、一橋大学非常勤講師(異文化交流論)、放送大学非常勤講師(現代国際政治)などを歴任。OSCEボスニア選挙監視団にも参加。主な著書に『ユーゴ紛争』(講談社現代新書、1993年)、『ユーゴ紛争はなぜ長期化したか』(勁草書房、1999年)など。訳書に『スロヴェニア』(白水社・文庫クセジュ、2000年)、『クロアチア』(同上、共訳、2000年)などがある。
Homepage http://www.pluto.dti.ne.jp/‾z-chida/
内容説明
ボスニアやコソボなどの紛争をくわしく見ることによって、現在の国際社会が抱える問題は何か、どうすれば解決できるかを考えて行く。紛争解決における国際社会の失敗や歪みの後遺症はきわめて深刻である。いったいどのような後遺症が存在するのか。20世紀最後の10年間にスポットを当てることで、21世紀初頭の世界が抱える問題のルーツを明快に解き明かす。
目次
二度の世界戦争を経験した「戦争の世紀」
第1部 なぜ戦争が起こったか(「新しい戦争」としてのユーゴ紛争;民族問題とは何か―旧ユーゴスラビアを例に考える;なぜ戦争は起きたのか)
第2部 二〇世紀の後遺症―国際社会の失敗(国際社会の介入と国連の地位の低下;コソボ紛争とNATO空爆の問題点;空爆でアメリカが得たもの;「人道的介入」という二一世紀の宿題)
第3部 戦争犯罪とアメリカのアキレス腱(戦争犯罪と「国際正義」;旧ユーゴ戦犯国際法廷と国際刑事裁判所(ICC)
「ユニラテラリズム」とアメリカのアキレス腱)
「ユーゴスラビア消滅」を越えて
著者等紹介
千田善[チダゼン]
1958年岩手県に生まれる。東京大学教育学部卒業。ベオグラード大学政治学部大学院修士課程中退(国際政治専攻)。6年余のベオグラード生活を経て、現在フリーランスのジャーナリスト。91年からも2年半、スロベニアを拠点に各地で紛争の現場を取材。旧ユーゴスラビア生活は、のべ10年近くにおよぶ。現在も、日本と現地を往復しながら、国際政治、民族紛争、軍備管理問題などを精力的に取材している。週刊誌や新聞への寄稿、子ども向け図書執筆などと共に、NHKやテレビ朝日など、活字メディア以外にも活動の場を広げている。執筆・講演活動のほか、報道各社向けの通訳・翻訳(セルビア・クロアチア語―英語―日本語)。外務省研修所講師、一橋大学非常勤講師(異文化交流論)、放送大学非常勤講師(現代国際政治)などを歴任。OSCEボスニア選挙監視団にも参加
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