出版社内容情報
私は、フリーマン・ダイソンの愛読者で、この人は現代と未来が最も良く見えている人だと思っている。名作『宇宙をかき乱すべきか』(ダイヤモンド社)はとっくに絶版になっているし、『科学の未来を語る』(三田出版会)は、出てすぐに出版社が倒産して入手不能になってしまった。いま入手可能なのは『多様化世界』くらいかもしれない(これは素晴らしい本。ぜひ一読をすすめる)が在庫僅少という.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』324頁、より)
内容説明
蝶の変態と超弦理論の美の対照のなかに自然の豊かな多様性を見据え、宇宙と生命の限りない可能性を探る。技術と社会の近未来を理論物理学者が大胆に透視。
目次
第1部 宇宙における生命(多様性の讃美;蝶と超弦;マンチェスターとアテナイ;生命はいかにして始まったか? ほか)
第2部 人間と機械(ルーツ;迅速を尊ぶ;科学と宇宙;技術者の夢 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
6
https://link.springer.com/article/10.1007/BF01733901 とあわせて、もっぺん読むべし>自分2018/04/21
ダージリン
0
ダイソンの幅広い教養に裏打ちされた知的で硬質な議論の進め方は好きである。この本でも十分に満喫させてもらった。日本人について触れられた一章の中で、「日本では、なにごとも、それが意味があろうとなかろうと、美しく行わなければならない。意味のない多くのことが、美しいがゆえになされる」という一節は心に残った。真珠湾攻撃に連なって出てくる記述だが、真珠湾に限らず、美意識を至上とする価値観は確かに我々に根付いている。2012/05/26
naijel
0
冷戦下レーガン時代に書かれた安全保障論の部分が今よんでも意外といける。日本は平和維持と不戦主義の両立というジレンマを達成するためには、核武装はあまり勧めかねる、とか。未来論でも、遠未来の人類は頑強に統一性を重視し、単一種族であるか、無限の多様性を重んじバラバラの種として放散していくかの二者択一を迫られることになる、と。ダイソンはそんな時代まで生きていられない幸運を喜んでいたが、案外その日は近いうちにやってくるのかもしれない。2011/07/18
muku
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★★★2008/08/24