出版社内容情報
「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」へ、「効率中心の経済社会」から「文化的な経済社会」へ――経済・社会への新たなアプローチをめざす「文化経済学」の概念と今日までの軌跡を、斯界の第一人者が解説する。
内容説明
「文化」と「経済」。今まで相反するものと思われがちだった両者の関係を捉え直し、これからの企業や非営利組織のあり方、政府や自治体の経済・文化政策のあり方を研究する新しい知の潮流―それが文化経済学である。本書は、価値の理論という基礎的な領域から筆を起こし、経済発展における文化の役割を経済学の手法を用いて分析。そのうえで、経済的価値と文化的価値の両面を併せ持つ「文化資本」という概念を提示し、それが持続可能な発展というパラダイムのなかで、いかなる可能性を持ちうるかを論じていく。「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」への転換が求められる今、都市再生や新産業創出の新たなアプローチとして、研究者のみならず企業人や政策担当者らの幅広い注目を集める文化経済学の考え方を、斯界の第一人者が体系的に解説した待望の書。
目次
1 序章
2 価値の理論
3 文化資本と持続可能性
4 経済発展と文化
5 文化遺産の経済的側面
6 創造性の経済学
7 文化産業
8 文化政策
9 終章
著者等紹介
スロスビー,デイヴィッド[スロスビー,デイヴィッド][Throsby,David]
オーストラリア、マコーリー大学経済・財政学部教授。1939年生まれ。シドニー大学で学士号・修士号(農業科学)、LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)で経済学博士号を取得。文化経済学の第一人者として世界的に名高く、1996年から98年にかけて国際文化経済学会の会長をつとめた。オーストラリア社会科学アカデミー会員、ユネスコ「世界文化レポート」科学者委員会会員。世界銀行、OECD、ユネスコ、FAOなどの国際機関のコンサルタントやオーストラリア政府・州政府の委員を歴任。日本や韓国をたびたび訪れ、東アジア(西太平洋圏)の地域学会の育成とその連携についても献身的な努力を払っている
中谷武雄[ナカタニタケオ]
京都橘女子大学文化政策学部教授。1945年京都府生まれ。京都大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程を単位取得退学。高知短期大学、徳島大学をへて、2001年より現職(文化政策論、経済思想史)。京都大学博士(経済学)
後藤和子[ゴトウカズコ]
埼玉大学経済学部助教授。京都大学理学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学博士(経済学)。98年より現職(財政学・文化経済学)。埼玉大学経済科学研究科の東京ステーションカレッジや東京大学大学院、東京芸術大学大学院などでも教鞭をとる。文化経済学会“日本”理事
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