首をはねろ! (新装)

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  • サイズ B6判/ページ数 307,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622049579
  • NDC分類 943
  • Cコード C0098

出版社内容情報

メルヘンに残酷な暴力が描かれるのはなぜか? グリム童話に家族、政治等人間の根源をさぐる。

内容説明

多くの人にとって、メルヘンは楽しい子供時代の思い出であろう。たとえば有名な「いばら姫」の話―「王子さまのキスで百年の眠りから覚めたお姫さまは、王子さまと結婚しました。めでたしめでたし。」だが、これに続く話をどれだけの人が知っているだろうか?―王子の母親は実は人喰い女だった。王子が戦場に行ってしまうと、母親は嫁とその子供たちを食べてしまおうと考える。そして料理人を呼びつけ、孫の一人を料理するように命ずる…このような残酷な場面が、メルヘンの世界にはたくさん登場する。なぜだろう?また、どんな意味があるのだろう?著者マレは、グリム童話の中のさまざまな暴力シーンを取り出して、鮮やかに読み解いていく。ここに描かれているのは、家庭、政治、国家など、現実の世界の反映であった。暴力を呼び起こし、それを阻止するものは何なのだろうか?マレは心理学者でも、精神分析家でもない。一人の教師が、毎週一度生徒たちに昔話を話して聞かせる、その過程の中からこの本は生まれた。「メルヘンは太古の現代である」とゲーテは言った。普遍的な真実、永遠に変わらない要素を、ゲーテはメルヘンのうちに認めていたのである。

目次

暴力の楽しみ
人間狼としての人間―公然の暴力
隠微な暴力
言うことを聞け、いやなら死ね―手きびしい教訓劇
想像の中の暴力
暴力とセックス
お上に逆らう下々
終わりなき暴力

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鳩羽

1
なぜメルヘンの世界には、残酷とも言える暴力の場面があふれかえっているのか。いくつもの童話を取り上げ、その暴力の種類によって原始的な暴力や内に秘めた暴力といったふうに分類し、聞き手と読み手の隠れた望みを読み解いていく。民俗学的とも心理学的とも言い切れないアプローチだが、聞き手や読み手であった大人の心理を推測した辺りが面白い。2010/12/06

がんつん

0
読み物としては面白いですが、チョイスが恣意的で、学術的ではないかな。考え方は嫌いじゃない。

ニッポニア

0
メルヘンの果てへ、ぼくらを導いてくれる、タイトルに惹かれて買ったけれど、それ以上のものをもたらす、この快楽よ。2012/12/10

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