内容説明
本書は、イギリス小説の歴史の中で、女性の自己認識がいかに表現されてきたかを、詳細に跡づけている。ブロンテ姉妹からG.エリオット、V.ウルフを経てD.レッシング、バイアット、ドラブルまで、多くの群小作家をも含めて、彼女たち自身の文学の存在と主張が検証されてゆく。
目次
1 女性文学の伝統
2 〈女性的な〉作家と創作意欲
3 批評の二重基準と〈女性的な〉小説
4 〈女性的な〉ヒロインたち―シャーロット・ブロンテとジョージ・エリオット
5 〈女性的な〉ヒーローたち―女性の描く男性
6 〈女性的な〉小説をくつがえして―煽情主義と〈女性的な〉抗議
7 〈フェミニスト〉作家たち
8 女性作家と参政権運動
9 〈女の〉美学
10 ヴァージニア・ウルフと両性具有への逃避
11 〈女の〉美学の彼方に―現代女性作家たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魔魔男爵
2
題は男性の模倣でない女性自身の文学を書けというJ・S・ミルのパクリ。1840~1970年の英女性作家213名の紹介本。四天王はオースティン、ブロンテ、エリオット、ウルフだが、四人の隙間を埋める209名の女性作家にも触れている、英文学マニアの必携本。女性作家を次々と妊娠させた悪のケダモノのH・G・ウェルズのネタもありんす。四天王以外には、オリーヴ・シュライナー、ドリス・メイ・レッシング、マーガレット・ドラブル、ドロシー・リチャードソンが面白そうざんす。著者はフェミニズムの知識がある英文学教授であり、百%フェ2018/03/05