海辺の家

  • ポイントキャンペーン

海辺の家

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622045113
  • NDC分類 935
  • Cコード C0098

出版社内容情報

「熟すのではない、変化に耐えるだけだ」。きびしい自然と対峙し、続『独り居の日記』をつづる。

内容説明

千変万化の海に魅入られて、独り老いる。しかし忙しい―庭仕事、執筆、犬と猫、老いた友、そして寂寞。名作『独り居の日記』のその後を描く、上質の日記文学。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miyu

34
サートン60代はじめから2年近くに渡る新しい家での日記。住み慣れたネルソンに彼女は多くの愛するものを置いてこなければならず、それでも去るべき時だと悟って海辺の新しい家に移り住む。それまでも薄っすらと姿を現しては彼女を悩ましていた現実の喪失が、影のようについてまわり鬱々とさせる。分かち合い信頼し合ったジュディさえもその心はしばしば現つを離れてサートンを悲しませる。それでもなお彼女が語り続けるのは何故なのだろう。強く、時には弱く、その姿を隠すことなくサートンは書き残す。それが自分を見つける唯一の手立てだから。2017/01/04

金城 雅大(きんじょう まさひろ)

25
クリエイターの苦悩とやらは、俗世の人々には容易には理解できない。2021/01/17

ぱせり

13
『独り居の日記』での豊かな孤独の日々の、これは後の記録。幸福と引き換えに、書けなくない、と悩むなんて。彼女の美しい日々・彼女の幸福が、むしろ息苦しくすら感じてしまった。この満ち満ちた日々を喜びつつ、同時に、彼女の芸術家としての魂が苦しんでいるのを感じる皮肉。けれどもそれも地上の一時の揺らぎにすぎないのかも。地の下には動じないものを感じてもいる。 2017/02/13

ののまる

13
『独り居の日記』につづく、サートンの62歳から64歳までの日記。ネルソンを離れて海辺の家へ。サートンが望んでいた作家としての評価も得られたこともあり、私は今幸せに満ちている、今まで一番幸せな時期、という記述が多くあり、落ち着いているように思えるが、自身の老年への恐れや友人達の痴呆・死別が重なり、また孤独やどうしようもない自分の内面との葛藤なども垣間見られる。ただ、やっぱり幸福感は前作と全然違う。でも、このあとの三作目の日記は、サートンにとって再び絶望の時期となるようだ。2015/09/14

Sakie

7
海辺の家へ移り、サートンは独りの時間を味わう。旧知の友人の訃報が立て続けに届き、老人ホームから泊まりに来る大切な人、ジュディは老齢ゆえの認知症が進みつつある。そういった諸々を悲しくは思うのだけれど、自身は至って平穏に、独りと犬と猫との生活、景色、庭仕事、たまの友人の訪れを楽しんでいる。前作の激しい感情の起伏は鳴りを潜めた。充電の期間を経て、創作へ集中するべくサートンは日記を閉じる。『老齢はかならずしも老人にとって脅威ではないと銘記しなくてはならない。老齢はすばらしいものでもありうるのだから』。2015/11/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/30976
  • ご注意事項