出版社内容情報
全5巻
既刊:第1巻 画文1
第2巻 画文2
地球人に扮していたのではないかといわれている異能の人、辻まことの漫画・イラストの全貌を紹介する本全集は、これまで知られずにいた数多くの作品を収録して3冊におさめ、順次刊行してゆく。本巻はその第1冊目、昭和22年から31年までの10年間にわたって、各種の雑誌や週刊誌に載せた漫画の集成である。
敗戦後の激動の時代である。価値観は大きく変わった。目新しい風景がつぎつぎと生まれる。政治、経済、教育、ファッション、事件、男と女、性……。日常的に見聞きする、ニュースや世相の混乱を、まさに異彩を放つ創造力で自由自在にかたちに変じ、アフォリズムと化している。
マンガというもっとも親しみやすく、直截な手法で、この時代の断片を鮮やかに切り取っており、ひとびとの喜怒哀楽を等身大の視点からユーモラスに描く。衣装は変わったが、変わらぬ〈いま〉を痛烈に笑う本。解説・池内紀。
辻まこと(つじ・まこと)
1913年福岡生まれ。本名、辻一。父は辻潤、母は伊藤野枝。1928年、父とともに渡仏し、およそ1年間パリに遊ぶ。1943年、陸軍兵士として中国に渡る。戦後、日本アナキスト連盟機関紙「平民新聞」に挿絵・風刺画文を寄稿。フリーのグラッフィック・デザイナーとして多くの作品を描き、アイロニックな広告も評価が高い。山登りやスキーを愛したことでも知られる。1975年歿。著書に『虫類図譜』『山からの絵本』『辻まこと全画集』など。
内容説明
あわただしくつくられ、ページのかたすみに現われるや否や埋れてしまった多量の漫画(昭和22‐31年)、初の集成。戦後の激動する時代、その世相を尖鋭な筆致でまた軽やかな笑いで鮮やかに描く。
目次
1 1947‐1955(「平民新聞」;「図書新聞」 ほか)
2 1951‐1954(「月刊読売」;「旬刊読売」 ほか)
3 1950‐1954(「自由国民」別冊;「現代生活のバイブル」 ほか)
4 1954‐1956(「家庭の手帖」;「家庭の手帖」 ほか)