出版社内容情報
セザンヌに関する書簡を中心に、近代美術と向かいあい、己が美学を構築するリルケの書簡78通。
内容説明
ロダン、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、クレー…。近代から現代への造形美術の転換期、リルケは多くの作品を前に、ひとり佇み、己が詩学の構築を索め知己に綴った。美への巡礼書簡。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pico
14
ロダン、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、クレー、芸術家を写す詩人リルケ。詩人の視たあくまで純粋たる芸術たる世界の美しさは筆舌に尽くしがたく何度も何度も気絶しそうになる。創造の源泉と源流が天の川のように流れている。「芸術作品のこの自立性が美である。芸術作品の一つ一つとともに一つの新しいものが、一つの事物が、世界が生まれるのだ。・・・つまり美の本質は、効果にあるのではなく、存在のうちにあるのだ」2009/07/15
Y.Yokota
2
妻クララや知人らに宛てた手紙で、リルケは自身の芸術観を惜しげもなく語ってくれています。ロダンはもちろん、パリ滞在中に触れたセザンヌやゴッホの絵画などを通じて、ただの絵画論ではなく、それをリルケの詩作にも関係させて、後に行き着く"芸術事物"(芸術作品ではなく、そこに存在するものとしての事物)を考えていく過程が、とても、刺激的です。時に興奮しながら、時に淡々と述べながら、そしてクララには優しい言葉をかける様子…見習わないといけません。2020/11/25
かおる
1
若き詩人への手紙、の次にこの本を読んだけれど、リルケのとっつきかかりにくいような小難しさはないやさしい文章ながらに、これほどの密度のある文章は本当に美しいなと思った。2020/03/03
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