内容説明
「妖術と託宣と呪術は三角形の三辺のようなものだ」。1937年に刊行されるや、人間の世界構築の方法がいかに独創的かつ多様かを示し、人類学に新たな画期を開いた名著である。待望久しい完訳。
目次
第1部 妖術(妖術は身体的、遺伝的な現象;妖物は開腹によって見つけられる;妖術と結びつけられる他の邪悪な存在;妖術の概念は不運な出来事を説明する;妖術に対抗する行為は社会的に規制されている;不運に見舞われた人は敵対者のなかに妖術師を探す;人は憎しみを抱いたとき他者に妖術をかける;妖術師は意識的に行動するのか;妖術と夢)
第2部 妖術医(妖術医はいかにして妖術を解くか;妖術医に対するアザンデ人の信頼;新しく妖術医にしたてるための訓練;アザンデ社会における妖術医の地位)
第3部 託宣(日常生活における毒託宣;毒の採取;毒託宣に伺いをたてる;毒託宣に伺いをたてることから生じる問題;他の託宣の方法)
第4部 呪術(善い呪術と邪術;呪術と呪術師;治療術;呪術を行うための結社;死の状況下における妖術、託宣、呪術)
著者等紹介
エヴァンズ・プリチャード,E.E.[EvansPritchard,Edward Evan]
1902年イギリスのイースト・サセックス州に生まれる。オックスフォード大学で近代史を専攻した後、社会人類学に関心を抱き、1926年に最初のアザンデ現地調査を行なう。1927年ロンドン経済学院大学で博士号取得、指導教官はC.G.セリグマンとB.マリノフスキーであった。1932年カイロのエジプト大学教授、1935年オックスフォード大学講師となる。この間に、アザンデの再調査および同じくスーダンで四次にわたるヌアー、短期間のアヌアク、インガッサナ、ケニアにおいてルオなどの調査を行なう。第二次大戦中はエチオピアでゲリラの指導をするとともにアヌアクを、1942年リビアに転任後はキレナイカ地方のベドウィンのサヌシ教団を調査する。1946‐70年オックスフォード大学社会人類学教授。1949‐51年には王立人類学研究所長を兼任。主著として、本書のほかThe Nuer(1940)、Kinship and Marriage among the Nuer(1951)、Nuer Religion(1956、いずれも邦訳は下記参照)、Theories of Primitive Religion(1965、『宗教人類学の基礎理論』佐々木宏幹・大森元吉訳、世界書院、1967)などがある。1973年歿
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