出版社内容情報
知識人とは何か? コジェーヴ、サルトル、メルロ=ポンティとの交流をまじえた20世紀の体験。
全2巻/完結(1999年)
内容説明
本書は、大戦を挾んで混迷するヨーロッパの知的・政治的動向を、ジャーナリストとして、あるいは社会学者・政治哲学者として、パリから証言した希有な書である。第1巻は、カント、ウェーバーを発見したドイツ修業時代に始まり、第二次大戦中にロンドンで発行した『自由フランス』とド・ゴール亡命政府への加担、戦後のヨーロッパ再興構想と「ドイツという脅威」をめぐる論争、50年代の『アルジェリアの悲劇』の背景となった植民地主義論争までをあつかう。
目次
第1部 政治を学ぶ(1905‐1939)(父の遺言;学生生活と友情;ドイツ発見 ほか)
第2部 政治の誘惑(1939‐1955)(戦争;叙情なき幻影;ジャーナリズムと政治活動 ほか)
第3部 苦悩する教授(1955‐1969)(古きソルボンヌへの帰還;アルジェリアの悲劇)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん教授(非実在系)
3
冷徹に熟慮を重ねて未来を見通し当てる、先見の明がありすぎる人の悲劇そのものである。理知的に考えていってこのような未来になっていくことは明白なのにもかかわらず、何故多くの人は間違った判断をし誤った考えを支持し熱狂するのだろうか。ドイツに過酷な賠償を押し付けヒトラーを育て、そのヒトラーの暴走には平和主義を唱えるだけで戦う意地を見せず、アルジェリアやヴェトナムを維持するのが不可能にもかかわらず損切りをしない。アロンは一生を大衆の熱狂と戦うことに捧げることとなったのであった。2018/04/23
うえ
0
「「政治問題は倫理的な問題ではない」と記しているのがいまも私の注目を引く。私はいまでもこう書くだろう」「哲学学級の雰囲気は、教師の思想的意見がどうであれ、ふつう左翼に対する親近感を養うものだ」「サルトルは見栄も偽善もなく自分自身と自分の天分についての思いを打ち明けた。ヘーゲルの域に達するだろうか。もちろんだ(…)それ以上はおそらく、がんばらなくてはだめだろう」2013/04/25
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