出版社内容情報
量子力学に、観測という新しい視点を体系化した著者による入門書。
1964年初版
2002年秋基本図書限定復刊-2002年10月下旬刊
内容説明
量子論の物理的描像を定式化したものとして画期的な名著。
目次
第1部 量子論の物理的定式化
第2部 量子論の数学的定式化
第3部 簡単な体系への応用。量子論の定式化の一層の拡張
第4部 Schr¨odinger方程式の近似的解法
第5部 散乱の理論
第6部 観測過程の量子論
著者等紹介
ボーム,D.[ボーム,D.][Bohm,David]
1917年アメリカ、ペンシルヴァニア州に生れる。1939年ペンシルヴァニア州立カレッジにてB.S.を、1943年カリフォルニア大学(バークレー)にてPh.D.を取得。ブラジル、イスラエルなどで教鞭をとったのちロンドン大学バークベックカレッジ教授。1992年歿
高林武彦[タカバヤシタケヒコ]
1941年東京大学物理学科卒業。名古屋大学名誉教授。理学博士。専攻は理論物理、物理学史、1999年歿
井上健[イノウエタケシ]
1941年京都大学物理学科卒業。京都大学名誉教授。理学博士。専攻は素粒子論、2004年歿
河辺六男[カワベロクオ]
1948年名古屋大学物理学科卒業。元大阪医科大学教授。専攻は素粒子論。2000年歿
後藤邦夫[ゴトウクニオ]
1955年名古屋大学物理学科卒業。桃山学院大学名誉教授。専攻は理論物理、物理学史、科学技術社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
9
アインシュタインが一人で創設した相対性理論と異なり、多くの物理学者が予想や仮説を立て、議論し、試行錯誤を繰り返す量子論を、著者は1951年時点で総括しようとした。量子論内では、アインシュタインやボーアの物理学側からの具象的接近やディラックやハイゼンベルクやパウリらの数学からの抽象的接近を区別して説明する一方、量子論以前の古典理論との関係については数々の実験例を示して歴史的に概説する。その包括的スタイルには量子論を非実在論とする従来の解釈から実在論的解釈へ転換を試みる著者の意思も窺える。教科書ながら大著だ。2022/02/18