内容説明
本書は、アメリカのベトナム戦争介入の初期にニューヨーク・タイムズ特派員としての著者の、南ベトナム滞在15ヵ月間の記録である。ジャーナリストとして「きびしい圧力に屈することなく、ベトナム戦争でその目で見た真実」を報道し、ジャーナリズムの良心と誠実を示したという理由で、ハーヴァード大学のルイズ・M・ライオン賞の第1回受賞者にえらばれ、また1964年度のピューリッツア賞も受賞した。
感想・レビュー
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sasha
1
著者・ハルバースタムがヴェトナムにいたのはジエム政権がカーン将軍のクーデターによって倒されるまで。後の北爆等、アメリカが大掛かりな介入を始める前だがそれでも南ヴェトナム政府とアメリカ政府の発表と現実に起こっていることの相違は明らかだった。あの頃、ヴェトナムには後に名を馳せる記者たちがいたんだよな。今じゃヴェトナムの生き残りも少なくなった。ハルバースタムも既に個人だものなぁ。2013/11/06
シュミットさん
0
ハルバースタム、面目躍如の作。原著“The Making of a Quagmire”は65年の刊。フランスはベトナムに居座ろうとして戦ったのに対し、アメリカはベトナムから逃げ出そうとして戦った、ということらしい。南ベトナムの「マクベス夫人」といわれたチャン・レ・スアン(ニュー夫人)はまだ健在なのかなあ。2009/11/17