感想・レビュー
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MIRACLE
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西欧と中国における機械時計の歴史(1300-1700年)について、簡潔(本文は100頁余)、かつ、要領よくまとめた本。西欧の機械時計は、職人の技術に、科学者の理論が融合して、発展したことを、明快に論じている(棒テンプから振子への転換)。筆者は、あとがきで、「人間性抜きの技術は無価値である」とのべ、機械を使いこなすための哲学、能力開発の必要性を訴えている。本書はまた、角山栄『時計の社会史』(中公新書)にも、影響をあたえている(角山は、同書で、西欧と中国・日本の歴史をとりあげていて、構成が同じ)。2014/12/30