感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eirianda
20
癌も医学の進歩によりその正体が明らかになるにつれ、寛解する場合もよく聞くようになった。そしてこの本が書かれた時より病気のイメージは変わってきたと思う。けど、癌の隠喩(例えば悪のイメージ)、結核の隠喩(精神的繊細さ)はガラリと変わらないのが不思議。この本に次いでエイズ版があるが、エイズの方がまだまだ差別的な隠喩は未だ根深いので、読まないとな。人は意味がわからない恐ろしいものには、感情的な意味づけしがち。気をつけたい。2018/08/16
いろは
15
著者が自身の癌体験を執筆の動機として描かれた作品だ。沈黙の感情論。『病は気から。』というのは昔からの言い伝えとしてあるが、この『気』を感情として捉え、病を医学的側面と、感情的側面と、心理的側面からの3つに焦点が当てられているのが、病の起因する確実性かつ見方の角度が変わり、面白かった。この作品で取り上げる病は、結核と癌と梅毒であるが、私にとって結核と言えば、太宰治又は「人間失格」の主人公であり、発病は単なる偶然ではない事が解ったし、癌が単なる生活習慣のアンバランスや、遺伝子によるものだけではない事が解った。2017/05/19
午後
3
病気を意味から、不適切な神話から引き剥がすこと。2018/11/07
cochou
2
菊地成孔が「ラディカルな意志のスタイルズ」を始めるという。ソンタグの本を探したらタイトルが気になったのがこの本。 病をテーマに「ものを例える行為」の危うさを指し示し、解体しようとする。「隠喩の力を借りずにものを考えるのは不可能である。しかし、だからといって、避ける方がいい、しまい込む方がいい隠喩がないわけではない。すべての思考は当然解釈であるにしても、ときには「反」解釈を掲げることが正しいこともあるように。」2022/07/30
jyocho_hiseisan
1
初スーザンソンタグ、ロマン主義の学び直しの中で、おおお知らなかったということとうーんそれはちょっとまだ理解できないかもということ2020/06/22