出版社内容情報
『論理哲学論考』から「言語ゲーム」まで。逆説に満ちたテクストに対する批判的・哲学的解読。
内容説明
ウィトゲンシュタインは、〈意味〉の本質の探究を主要課題とすることによって、現代の哲学に革命をもたらした。著者エイヤー自身もまた、ウィトゲンシュタインから深く影響を受けた古典的著作『言語・真理・論理』で、この革命に独自の寄与をなした。本書はそのエイヤーによる『論考』から『探究』にいたるヴィトゲンシュタイン哲学の再構築である。批判的でしかも理解にみちた叙述は、〈本書の真のヒーローはエイヤーの散文のスタイル〉(アンソニー・バージェス)との高い評価も受けている。
目次
1 序奏―ウィトゲンシュタインの生涯
2 『論考』
3 移行期
4 『茶色本』
5 数学の基礎
6 『哲学探究』
7 呪術と宗教について
8 心理学の哲学
9 知識と確実性
10 ウィトゲンシュタインの影響
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまだてつひと
4
ウィトゲンシュタインの思想についてかなり批判的に書かれている本。私はウィトゲンシュタインの思想についてはかなり同意的なので、スラスラと読みすすめられなかった。 自己の罪について考え続けているウィトゲンシュタインと著者の問題意識の差が積み重なり、このような批判的な本になっているのかなぁとは感じた。2024/10/06
スミレ雲
2
【図書館本】刺激的な一冊。ウィトゲンシュタインを下敷きに、エイヤーの論を展開しているというか、対話している感じがした。『論考』と『探究』しか意識してなかったけど、そのほかの作品や当時を取り巻く人々、後世の影響までとらえている。射程の広い書物。とても南海な人なのだろう。哲学という枠に収まらない、まさに探究した人。その人がどう思うか、それを回りがどう受け止めるか、まったくの一致はあり得ない。2019/12/29
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