出版社内容情報
なぜ多くの種の鳥はオスのほうが派手で、しかしそうでない種もいるのだろう?
親鳥によるヒナの世話は、なぜある種ではメスが、ある種ではオスが、さらに別の種では両親が分担するのだろう?
身近にいる鳥について、このような疑問を抱いたことはないだろうか。これらはみな、進化生物学の範疇である。すべての生物種のすべての特徴は、進化的起源から変化を積み重ねてきた歴史の賜物であるからだ。本書では、進化生物学の大家Douglas J. Futuymaが、鳥の多様な生活史・子育てスタイル・求愛表現・羽飾り・社会的行動などといった興味深い特徴を、進化生物学の視点から見つめ直す。適応・多型・進化・多様性といった進化生物学の論点を、鳥をとおしてわかりやすく語る書籍でもあり、鳥や自然を愛するすべてのひと、進化生物学に興味のあるひとのための一冊。
【目次】
第1章 進化の光のなかで ―鳥と進化学―
第2章 インコ、ハヤブサ、鳴禽 ―鳥の系統樹―
第3章 始祖鳥以降 ―鳥類史のハイライト―
第4章 フィンチとズグロムシクイ ―鳥の個体群はどう変化し適応するのか
第5章 エリマキシギとカッコウ ―種内の多様性―
第6章 ツメバケイとハチドリ ―適応はどう進化するか―
第7章 フクロウとアホウドリ ―生活史とその多様性―
第8章 ウミスズメの冠羽とクジャクの上尾筒 ―鳥における性淘汰―
第9章 オオハシカッコウ、ツバメ、ハチクイ ―鳥の社会生活―
第10章 鳥の種 ―種とは何か、どのように形成されるのか―
第11章 鳥の世界
第12章 進化と絶滅 ―鳥の未来―
訳者あとがき
原 注
文 献
索 引