出版社内容情報
走査プローブ顕微鏡(SPM)は、nmレベルに細く尖らせた探針(プローブ)を試料表面に沿って走査させ、試料表面からしみ出す物理量を計測することで、その形状や性質を観察する手法である。近年、SPM技術の進展によりさまざまな走査プローブ分光法(SPS)が開発され、単原子レベルで物理的化学的特性を定量評価する科学分野が生まれてきている。
正しい測定を行うためにはどうしたらよいのか、応用例を挙げながら詳細に解説する。
【目次】
1 SPMの原理と観える世界
1.1 SPMで観えるもの
1.2 SPMで観えてきたもの―SP分光法
1.2.1 トンネル電流測定の場合
1.2.2 力測定の場合
1.2.3 光を組み合わせた局所分光の場合
1.3 SPM装置で大切なこと
1.4 SPMで分解できる大きさ
2 SPMを使うための基礎知識
2.1 測定に必要な環境や装置の工夫
2.1.1 を中心にして:電流測定の場合
2.1.2 AFMを中心にして:力の測定の場合
2.1.3 光プローブを中心にして:光測定の場合
2.2 さらなる世界を観るための探針技術
2.2.1 より小さい世界を探る探針技術
2.2.2 光を増幅するための探針技術(探針増強Raman分光法)
2.3 SPMの高速化:時間分解能を高める技術
2.3.1 走査システムを安定に高速化するための基本
2.3.2 パルスと組み合わせて高速化するための基本
2.4 計測を自動化することで拓ける世界
2.4.1 SPM測定におけるセットアップの自動化
2.4.2 SPM計測の自動化
2.4.3 データの自動解析・解釈―AIの活用に向けて―
2.4.4 “自律化”に向けて
2.5 データ互換性を担保するISO国際規格の活用
2.5.1 プローブ顕微鏡に関連するISO国際規格
2.5.2 ISO国際規格の今後の展望
2.5.3 まとめ
3 何を観たいのか,そのために必要なこと
3.1 走査トンネル分光法(STS)
3.1.1 さまざまな分光法と測定技術
3.1.2 トンネル分光測定
3.1.3 まとめ・さらなる展開
3.2 高分子の特性を力で探る
3.2.1 柔らかいものを観るために必要な技術
3.2.2 正しい測定を行うために必要なこと
3.2.3 データを解析するために必要なこと
3.2.4 応用例
3.2.5 まとめ・さらなる展開
3.3 単一分子間の相互作用をはかる
3.3.1 単一分子レベルで力分光するために必要な技術
3.3.2 試料を準備するための工夫
3.3.3 正しい測定を行うために必要なこと
3.3.4 データを解析するために必要なこと
3.3.5 応用例
3.3.6 まとめ・さらなる展開
3.4 細胞の特性を力で探る
3.4.1 細胞を力で分光するために必要な技術
3.4.2 試料を準備するための工夫
3.4.3 正しい測定を行うために必要なこと
3.4.4 データを解析するために必要なこと
3.4.5 応用例
3.4.6 まとめ・さらなる展開
3.5 固液界面の三次元構造を見る・探る
3.5.1 三次元計測の基本原理と方法
3.5.2 水和構造計測
3.5.3 非水
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