内容説明
ΔΣ型アナログ/デジタル変換器(ADC)は、半導体ロードマップの技術動向ともマッチした高性能変換方式として注目を集めており、それを受けて、十数年前に本書の第1版が刊行された。その後もCMOS微細化の進展は目覚ましく、多くの高性能プロセッサ、大容量メモリなどのデジタルLSIが開発されてきた。ADCの中でもデジタル信号処理の比重が高いΔΣ型ADCもその例外ではなく、微細化素子を駆使することで性能が飛躍的に向上した。その一方で、各種の誤差補正手法が開発されるなど、回路設計技術自体も大きく進化した。第2版では、ここ十年間における最新技術の内容を網羅するために240頁分の加筆をしたうえで全面大改訂を行った。基本概念から説き始め、広い分野へ応用できる実際の回路設計手法までを懇切丁寧に解説した本書は、原理を理解し、自由に使いこなしたいと願っているアナログ回路・アナログデジタル混載回路設計技術者および電子通信情報工学系の学部・大学院生にとって必読の書といえよう。
目次
ΔΣ変調器の魅力
サンプリング、オーバーサンプリング、ノイズシェイピング
2次ΔΣ変調器
高次のΔΣ変調器
多段/多量子化器ΔΣ変調器
ミスマッチシェイピング
離散時間ΔΣ型ADCの回路設計
連続時間ΔΣ変調器
連続時間ΔΣ変調器における非理想要因
連続時間ΔΣ変調器の回路設計
バンドパス/直交ΔΣ変調器
インクリメンタル ADC
ΔΣDAC
内挿と間引き
スペクトル評価
付録B 線形周期時変システム
著者等紹介
和保孝夫[ワホタカオ]
上智大学理工学部情報理工学科客員教授。早稲田大学大学院理工学研究科修了。理学博士。NTT電気通信研究所、上智大学理工学部教授をへて現職。専門は半導体デバイス・集積回路。電子情報通信学会論文誌編集委員長、IEEE国際会議チェアなどを歴任
安田彰[ヤスダアキラ]
法政大学理工学部電気電子工学科教授。法政大学大学院工学研究科修了。博士(工学)。東芝研究開発センター、TIをへて現職。専門はアナログ回路、高精度高速ADC、DAC。電子回路研究専門委員会委員、電気学会論文委員会幹事、Trigence Semiconductor取締役などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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