出版社内容情報
DDSキャリア設計にあたり知っておくべき基礎的な事項を体系的にまとめた。新たにDDS研究を始めようとする人の支えとなる一冊。DDSは狙った組織に狙った時間で薬物を送達するシステムであり、送達される薬物は標的部位に届けるために設計されたキャリアに包まれた状態になっている。本書では、単に送り届けるだけではなく様々な機能をもったキャリアをも取り上げ、それぞれのキャリアの特性や設計上の指針、発想方法などに重点をおき、キャリア設計にあたり知っておくべき基礎的な事項を体系的にまとめた。長年にわたって研究されてきたDDSの概念から、最新技術のエッセンスまでを網羅。研究をはじめたばかりの学生や、新たにDDS研究をはじめようとする人の支えとなる一冊である。
1 総論
1.1 DDSの概念とその基盤
1.2 DDSのPK/PD‐モデリング
1.3 細胞内動態制御法
1.4 能動的標的化法
コラム:能動的標的化法によるsiRNAの世界初の臨床試験
コラム:GaINAc-siRNAコンジュゲート
1.5 血中濃度と組織分布
1.6 動物モデルからヒトへの応用
DDS研究最前線:がん幹細胞のターゲティング
2 高分子系のキャリア設計
2.1 高分子ミセル
2.2 高分子ミセル型遺伝子キャリアの設計
コラム:PEGのジレンマ
2.3 生体内シグナルに応答する高分子の設計と薬物送達キャリアへの展開
2.4 抗酸化作用をもった高分子キャリア
コラム:DDSキャリアの投与方法
コラム:体内酵素をあやつるキャリア
DDS研究最前線:個別化医療とDDS
3 脂質系のキャリア設計
3.1 脂質型キャリア
3.2 環境応答性材料
3.3 pH感受性カチオン性脂質
コラム:コレステロール-siRNA-コンジュゲート
3.4 粒子サイズ制御
3.5 エクソソーム
DDS研究最前線:抗体とDDS
4 金属系ナノ粒子設計
4.1 金ナノ粒子
4.2 銀ナノ粒子
コラム:ナノトキシコロジー
4.3 マグネタイトナノ粒子
4.4 蛍光ナノ粒子
4.5 おわりに
DDS研究最前線:診断を行うDDS
5 ワクチンへの応用
5.1 ワクチン,免疫の基礎
5.2 免疫治療におけるキャリア型DDSの重要性
5.3 タンパク質,ペプチド抗原デリバリー
5.4 アジュバントデリバリー
5.5 DNAワクチン
5.6 今後のワクチン開発におけるDDS技術の位置付け
DDS研究最前線:免疫治療とDDS
6 DDSを超えるナノメディシンの世界
6.1 オルガネラターゲティング
コラム:多彩な機能を有するミトコンドリアとさまざまな疾患との関係
コラム:MTSを介したミトコンドリアタンパク質輸送機構
6.2 物理エネルギーを利用したDDS
DDS研究最前線:ゲノム編集とDDS
7 キャリアを利用したDDS製剤のレギュラトリーサイエンス
7.1 医薬品開発の流れ
7.2 革新的DDSキャリア製剤のレギュラトリーサイエンス
7.3 DDSキャリア製剤に関連したガイドライン,リフレクションペーパー
7.4 DDSキャリア製剤の品質特性解析について
7.5 DDSキャリア製剤の薬物動態測定
7.6 DDSキャリア製剤の非臨床安全性評価
7.7 おわりに
片岡 一則[カタオカカズノリ]
編集
原島 秀吉[ハラシマヒデヨシ]
編集
内容説明
21世紀に入り医薬品開発にパラダイムシフトが起き、治療法が従来の対症療法から根本治療へと変わりつつある。根本治療においては標的細胞に医薬分子を送達することが重要であり、これを実現するために、さまざまな機能をもったドラッグキャリアの設計が求められている。本書ではドラッグキャリアの特性や設計上の指針、発想方法などに重点をおき、キャリア設計にあたり知っておくべき基礎的な事項を体系的にまとめた。また、最新の研究についても随所で解説しており、実例からキャリア設計の根幹を学ぶことができる。キャリア設計をこれから学ぼうとする読者にとっては入門書として活用でき、キャリア設計に従事する研究者や技術者には座右の書として役立つ一冊。
目次
1 総論
2 高分子系のキャリア設計
3 脂質系のキャリア設計
4 金属系ナノ粒子設計
5 ワクチンへの応用
6 DDSを越えるナノ医薬品の世界
7 キャリアを利用したDDS製剤のレギュラトリーサイエンス
著者等紹介
片岡一則[カタオカカズノリ]
(公財)川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター、東京大学政策ビジョン研究センター
原島秀吉[ハラシマヒデヨシ]
北海道大学大学院薬学研究院(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 和書
- 臨床免疫学 (普及版)