出版社内容情報
偉大な科学者の思想・試みはどれもすばらしい。本書は数学の特筆すべき100の思想・試みを、フルカラーのイラストとともに紹介する。古代から現代までの話題を網羅し、まるで博物館をめぐるように読み進めることができる。
たとえば、最初に取り上げられているトピックス「数える」の一文を抜粋してみよう。
「数学は、数えることから始まる。抽象的な数の世界に分け入る衝撃的な旅も、1、2、3、…という数なしにはあり得ない。ところが、人は数を発明したのか、それとも発見したのか、という一見単純な問題は、いまだに解明されていない」
この物語にフルカラーの写真やイラストが交わると、まるで、博物館の一隅で歴史の大きな遺産と対峙しているような気分になるだろう。
博物館を進んでゆくと「xとy」や「音楽」など、生活の中にあるトピックスを通りすぎ、近代文明を作り上げた「チューリング・マシン」や「ポアンカレ予想」などが現れる。読者は数学の歴史が持つ奥行きの広さに驚くだろう。本書を読了すれば、数学が「数える」ことからひとつなぎの歴史を紡いでいるということを理解できるだろう。
歴史上、様々な思想、文化には栄枯盛衰があり、とってかわってを繰り返してきた。しかし、数学の発見は私たちの立脚点を変えることはあっても、以前に正しいと証明されたことをと否定することはできない。その証拠はピタゴラスの定理や、三角関数など枚挙にはいとまがない。
巻末には紡いできた歴史のもっとも先端にあたる未解決問題や、紡ぎ手である著名な数学者の一覧など、知識欲をさらに掻き立てる付録が満載となっている。
はじめに
○有史以前から中世まで
1.数える
2.位取り記数法
3.計算に使う道具、アバカス
4.ピタゴラスの定理
5.リンド・パピルス
6.ゼロ
7.音楽の数学
8.黄金比
9.プラトンの立体
10.論理
11.幾何学
12.魔方陣
13.素数
14.パイ
15.地球を測る
16.10のべき、10の力
17.今日に通じる暦
18.ディオファントスの方程式
19.インド・アラビア記数法
20.アルゴリズム
21.暗号学
22.代数
23.フィボナッチ数列
○ルネッサンスと啓蒙の時代
24.遠近法の幾何学
25.非線形方程式
26.振り子の法則
27.xとy
28.楕円
29.対数
30.「ネイピアの骨」
31.計算尺
32.複素数
33.デカルト座標(直交座標)
34.落体の法則
35.計算機
36.パスカルの3角形
37.偶然と確率
38.帰納法
39.微分積分学
40.重力の数学
41.2進数
○新しい数と新しい理論
42.e
43.グラフ理論
44.三体問題
45.オイラーの等式
46.ベイズの定理
47.マスケリンと個人誤差
48.マルサスの学説
49.代数の基本定理
50.摂動理論
51.中心極限定理
52.フーリエ解析
53.機械式のコンピュータ
54.ベッセル関数
55.群論
56.非ユークリッド幾何学
57.平均人
58.ポアソン分布
59.4元数
60.超越数
61.海王星の発見
62.ヴェーバー・フェヒナーの法則
63.ブール代数
64.マクスウェル-ボルツマン
65.無理数の定義
66.無限
67.集合論
68.ペアノの公理
69.単純リー群
70.統計的手法
近代数学
71.トポロジー
72.新しい幾何学
73.ヒルベルトの23の問題
74.質量エネルギー
75.マルコフ連鎖
76.集団遺伝学
77.数学の基礎
78.一般相対性理論
79.量子力学の数学
80.ゲーデルの定理
81.チューリング・マシン
82.フィールズ賞
83.ツーゼと電気式コンピュータ
84.ゲーム理論
85.情報理論
86.測地線
87.カオス理論
88.ひも理論
89.カタストロフ理論
90.四色定理
91.公開鍵暗号法
92.フラクタル
93.4次元以上
94.全有限単純群の分類
95.自己組織化臨界現象
96.フェルマーの最終定理
97.コンピュータによる証明
98.ミレニアム問題
99.ポアンカレ予想
100.メルセンヌ素数捜し
<付録>
101.数学用語集
数学の謎
まだ答えが見つかっていない問題
偉大なる数学者たち
年表
索引
内容説明
数学の歴史を100のトピックスに濃縮。数学者たちの風変わりなエピソードとともに、数学が人類にもたらした恩恵や、驚くべき大発見を、豊富なイラストで紹介。
目次
有史以前から中世まで(数える;位取り記数法 ほか)
ルネサンスと啓蒙の時代(遠近法の幾何学;非線形方程式 ほか)
新しい数、新しい理論(e;グラフ理論 ほか)
現代数学(トポロジー;新しい幾何学 ほか)
著者等紹介
ジャクソン,トム[ジャクソン,トム] [Jackson,Tom]
英国で活躍するサイエンスライター。ブリストル大学で動物学を学び動物園で働いた後、ジンバブエやベトナムで自然保護活動を行う。20年にわたって、メキシコオオサンショウウオからゾロアスター教にいたる幅広いテーマで一般向けの啓蒙書を執筆。科学、自然誌関係だけで40冊以上の本をまとめている。現在もブリストル在住
冨永星[トミナガホシ]
フリーランス翻訳家。京都大学数理科学系卒業後、国立国会図書館司書、自由の森学園教員などを経て、一般向け科学啓蒙書と児童書の翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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