出版社内容情報
どうぶつ社書籍の復刊。社会生物学論争に大きな話題を投げかけた兵隊アブラムシの発見譚。講談社出版文化賞第一回科学出版賞受賞作。
内容説明
アブラムシの小さな“社会”には、親に似ていない奇妙な幼虫が現われる。カニムシのようなもの、ツノを持つもの、人を刺すもの、そしてさまよえる幼虫。彼らの存在理由は何だろうか?大胆な仮説が意外な事実の発見へと導いていく。社会生物学論争に一石を投じた兵隊アブラムシの発見記。講談社出版文化賞第一回科学出版賞受賞作。
目次
第1章 兵隊を持ったアブラムシ
第2章 ツノアブラムシの場合
第3章 人を刺すアブラムシ
第4章 兵隊の発見を振り返って
第5章 みにくいアヒルの子
著者等紹介
青木重幸[アオキシゲユキ]
1950年神奈川県生まれ。北海道大学農学部卒業。現在、立正大学経済学部教授(生物学)。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケロたん
1
蟻に守ってもらう、天敵に食べられるだけの存在と思いきや、敵を迎え撃つとは!2015/06/30
nozma
0
『利己的な遺伝子』の補注で著者の研究への言及があったのをきっかけにこの本を見つけた。まずアブラムシの中に不妊の兵隊を生む種が居るという認識が無かったが、改めてその認識を持って他の昆虫学のテキストを確認するとたしかに記述はあった。しかし、本書のように詳しく扱われた書籍はおそらく例がないだろう。人を刺すアブラムシや、風にのって飛ぶアブラムシなど、聞いたことがない話がいくつもあった。また、著者が仮設を立て、それをどのように検証していったのかが臨場感を持って描かれており、読み物としても面白かった。2021/10/20