内容説明
今日、都市部を中心として、タンポポといえば外来種ばかりという情況になってしまった。それはあたかも、日本のタンポポが外来のタンポポに「駆遂」されたように見える。だが「実態」はどうなのか?外来のタンポポが目立つのは、われわれが自然環境を大きく変えた結果なのだ。20余年にわたるタンポポ調査が、そのことを実証している。タンポポは、その意味で、環境を反映する「指標植物」なのである。
目次
第1章 在来種と外来種
第2章 南関東におけるタンポポ調査
第3章 タンポポの生える場所
第4章 10年後の調査から
第5章 タンポポの季節
第6章 生き残り作戦
第7章 交代現象のシナリオと残された課題
著者等紹介
小川潔[オガワキヨシ]
1947年東京都生まれ。東京大学理学部卒業。同大学院を経て、東京学芸大学教育学部に勤務。現在、東京学芸大学名誉教授。専門は環境教育と保全生態学。学生時代から、自然保護運動および自然観察会を中心とする環境教育実践と、生態・自然史研究という二足のわらじをはいてきた。「しのばず自然観察会」代表幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かば◎
0
他で読んだ断片的なレポートや身近な観察からも、タンポポに関しては単純に「外来種が在来種を駆逐しつつある」ではないことはある程度知識として持っていて、そのあたりをきちんと確認したくて読む。元が学位論文の改稿とのことで、素人には若干入り込みにくい部分もあるが、「外来種は在来種と入れ替わっているのではなく、人間が作り上げた空白に入り込んでいる」という基本の図式はよく理解できる。最近取り上げられることが多い交雑種に関しては最後の方でさらりと触れているだけだが、最後の「復刻に寄せて」の後書きでも補足説明がある。2017/03/08
-
- 和書
- 伝説のワニジェイク