出版社内容情報
本書は、人類の歴史における悲惨な感染症の今日的視点・影響と科学・医学の進歩によってそれを減少化・克服してきた歴史、現在から将来への課題を鋭く提言する。
また微生物の歴史での著名人の通説を今日的視点で問い直し、本当にそうであったのか、また作られた伝記「野口英世ものがたり」を当時交流のあった人々の証言を解き明かし、歴史物語に終らぬ、現在も続くわが国のワクチン行政の課題を浮き彫りにする。
〇ワクチン研究開発者が語る、歴史時代からの10大感染症の新たなエピソードとその秘められた謎
〇感染症にまつわるエジプトのミイラから古今東西の図版100収載
〇病原微生物の利己的遺伝子による驚くべき進化をわかりやすく解説
〇ポリオ,麻疹,風疹,インフルに対するタミフルなど,官僚ワクチン行政の齟齬・課題を鋭く提起
目次案
1.ペストは寝ている?―掲載人物 カミュ・シェイクスピア・ハメルンの笛吹き男・北里柴三郎
2.天然痘は今どこに?-ラムセス5世・聖武天皇・藤原道長・孝明天皇・緒方洪庵
3.インフルエンザ―エゴン・シーレ・辰野金吾・島村抱月
4.ポリオ―どこから来たのか?―縄文人・ルーズベルト・ノーベル賞受賞エンダース
5.麻疹(はしか)―ハワイコナとカメハメハ2世・徳川綱吉・北條時頼
6.ウエストナイルウイルス―アレキサンダー大王
7.ハンセン病から梅毒
8.風疹と胎児―大リーガー カーティス・プライド
9.炭素菌と超多剤耐性菌の逆襲―高杉晋作・石川啄木・コッホ
10.医療の官僚組織は素人集団か?
目次は予告なしで、変更となることがございます。
内容説明
なぜ、感染症は絶えないのか?なぜ新たな感染症が出現してくるのか?人類はどのように感染症と戦って生き延びてきたのか?科学はこの見えないものへの怯えをいかに減らしてきたか?そして、我々は、どこへ行くのか?―。
目次
第1章 「人は得体の知れないものに怯える」
第2章 「天然痘の根絶 人類初の勝利」―ラムセス5世からアリ・マオ・マーランまで
第3章 「ペスト」―中世ヨーロッパを揺るがせた大災禍
第4章 「ポリオ」―ルーズベルトはポリオではなかった?
第5章 「結核」―化石人骨から国民病、そして未だに
第6章 「麻疹」―天然痘と並ぶ2大感染症だった
第7章 「風疹」―母子感染による難聴の野球選手
第8章 「インフルエンザ」―人類に最後まで残る厄介な感染症
第9章 「ウエストナイルウイルス」―アレクサンダー大王の死因?
第10章 「ネットワークで感染症に備える」―今日りんごの木を植えよう