丸善ライブラリー<br> 応用倫理学のすすめ

丸善ライブラリー
応用倫理学のすすめ

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  • サイズ 新書判/ページ数 193p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784621082331
  • NDC分類 150.4
  • Cコード C0212

内容説明

「他人に迷惑をかけない限り何をしてもいい権利」(自己決定権)によって個人の権利が守られている。しかしポルノグラフィー、代理母、自殺等に関して、個人が他人に迷惑をかけないとしても、社会の側が干渉したり、個人の自己決定権を制限してくるのは何故か。また、親が子どもを守るということは、子どもの自己決定権を認めることか否か。例えば子どもは何歳になったら親に内証で人工妊娠中絶をしてもよいのだろうか。新しい学問領域である「応用倫理学」がそれらの問いに解法を提示する。

目次

1 個人の自律の倫理学(ヘアヌードと他者危害の原則;留学生射殺事件の無罪判決;エイズ患者のプライバシー)
2 親と子の世代間倫理学(子どもの名前と自己決定権;何歳になったら親に内証で人工妊娠中絶をしてよいか)
3 社会的共同性の倫理学(代理母は許されるか;安楽死と尊厳死;死刑廃止論)
4 強者と弱者の倫理学(セクハラで大事なのは使用者の責任;ハイテク社会と製造物責任法;公正の概念とアファーマティブ・アクション;鯨は食べてよいか)

著者等紹介

加藤尚武[カトウヒサタケ]
鳥取環境大学名誉学長。京都大学名誉教授。日本哲学会前委員長。わが国における環境倫理学、応用倫理学の第一人者。1937年生れ。東京大学大学院(哲学)修了。第7回哲学奨励山崎賞、第6回和辻哲郎文化賞受賞。2000年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

24
#感想歌 #短歌 他者危害原則ミルの自由論SantaFe宮澤りえと Madonna 留学生射殺事件でルイジアナ州のHome Owners Law 盗犯等の防止及び処分に関する法律昭和五年の2017/03/22

吉野ヶ里

6
初心者向けにしては説明が省略されすぎている。倫理学の原則が実践の場ではどのように適用されるかを考える糸口の本。価値観は人それぞれだからこそ、共約的なルールを模索する。それが倫理学。全人類に共約の規範がなにかないかと考えたくなるよ。いくつか気になった点。安楽死の問題点は自殺の筋ではなく、殺人の筋なのではないだろうか? 死ぬのは自由だが殺すのを認めると秩序が乱れる。死刑の意義は、見せしめでも、復讐でもなく、追放ではないか? 社会の中に再編不能な異分子を永遠に追放することが死刑制度の意義だとするとすっきりする。2019/09/23

はぎはぎ

5
倫理学で研究される原理を現実社会の問題にどのように当てはめて考えるかが、具体的な事例とともに語られている。本自体はかなり古いが、考え方を知るには問題ない。「自分で判断の基準を設計してみることを筆者は期待している」とあるように、考え方の実例を示して思考を促すという試みだと捉えられる。注意すべきは、原理となる思想についてはあまり詳しく触れられていないこと(ロジックはきちんと説明されているが)、筆者の基準が大胆に書かれていることの二点。これらを意識して読まないと、筆者の考えをなぞるだけになりそうである。2021/11/09

オランジーナ@

2
平成6年刊行なので少し古いか。悪魔ちゃん騒動などの時事ネタから倫理を考える本。2016/07/23

tata

1
★★★★☆ 会社の先輩に教えてもらった本。 難しい。一度ではなかなか理解出来ないと思う。 色々となるほどーと思わせてもらえるものも多く読んでいて楽しい。 製造物責任法はもう今は施行されている。セクハラは今でも問題というように、時事問題に関することから哲学的な(正しくない!?)観点から論じて行く。2015/04/19

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