内容説明
「魔よけ」とは人生を脅かす「魔もの」から身を守り、それらを退散させ、さらには福を招く方法である。「魔もの」には色々な種類があり、それらに対する「魔よけ」も種類が多くなる。もっとも一般的な社寺の「お守り」のほか、呪文や呪符を描いたり彫ったりするもの、たくさんの「目」や嫌な臭いで魔ものを退散させるもの、足で一定のステップを踏み自らを守るまじないなど、藁にもすがる思いの人間は色々なものに「魔よけ」の働きを期待したのである。本書では、見開き2ページ構成で国内外の様々な魔よけをカラー写真で紹介し、その形と歴史の謎に迫っていく。
目次
魔よけ
五芒星
目篭
目・掌・蹄鉄
九字
魔方陣
×印
桔梗と大文字
澤瀉・柏・梶〔ほか〕
著者等紹介
岡田保造[オカダヤスゾウ]
大阪成蹊短期大学名誉教授。1935年大阪市生まれ。立命館大学および関西大学卒業。日本史を専攻するが研究は学際的で、資料の収集にあたっては国体山岳競技二回出場の脚力を生かす。歩く・見る・学ぶを実践する「近鉄文学散歩」の講師を二〇年間担当し、今も短大の生涯学習講座や近隣自治体の歴史講座の講師を務めながら「星印(魔よけ)」を追いかけている。魔よけ研究・コレクターの第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たいぱぱ
8
荒俣先生の「帝都物語」と漫画「孔雀王」で覚えた<臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前>を20数年経ってもまだ覚えてました。結構世界中で共通した魔よけがあるのが面白い。これから神社やお城跡に行ったら魔よけを探す楽しみが出来た!2012/07/07
姉勤
7
星(清明紋と六芒星)と十字(縦線と横線の交差)は古今東西、魔よけの主役で、交差する点が視線のかわりで、逆に言えば視線や瞳は魔よけになるほどの魔力があるという事ね。怖い目には、睨まれないように。2013/09/29
tama
7
これもあれも魔よけ。まぁよぉけおますなぁ。表紙のカエルみたいのとか角大師は中で説明されてない。若干私家本みたいな感じ。 写真の撮影時期がひとつも記録されてないのがなんか気になる。2012/08/13
ラグエル
7
臼の形も魔よけだったのか。それって、あれ、Z旗の形でもあるよね。関係あるんだろうね。旗指物の乳の縫い取り、ああいうの、子どもの浴衣のヒモの付け根によくばあちゃんが塗っていたんだけど。放射状の星とか。2011/08/09
きのたん
5
目が多いと鬼は怖がるらしい。なぜ??あのヘンな白黒の座ったカッパの絵みたいのも魔よけだった。元三大師(慈恵)。あれこそが災いの元みたいな見た目だと思ったが。 全部気のせいと言ってしまうにはあまりにも惜しいが、振り回されると身動きも取れない。最後の頼みの綱という拠り所なのだろうけど、何かあるのだろうね。人間にしかわからないジンクスのような物事のつながりが、少し見えた気がした記録かな。2021/01/17