内容説明
前半では、現在に至るまでのカメラの歴史を振り返りながら、「像を写し、残す」というカメラのしくみについて解説します。後半では、「撮影現場に戻るカメラ」の実現を目指す筆者自身の研究を中心に、デジタルカメラの先にある未来のカメラについてお話しします。「撮影現場に戻るカメラ」とは、コンピュータ(計算機)を駆使した画像処理技術によって、あたかも撮影現場に戻って撮影し直すように、撮影後に視点や焦点を自由に変えられるカメラのこと。こうしたカメラ技術がさらに発展した先には、どんな未来が待っているのでしょうか。
目次
第1章 ピンホールの魔術からレンズの科学へ―空間を超えて見る(「映‐像」とのはじめての出会い;レンズの向こう側に広がる新しい世界観)
第2章 カメラの誕生と進歩―時間も超えて記録する(写真術のはじまり;カメラのしくみ;デジタル化するカメラ)
第3章 計算をはじめた未来のカメラたち―時をさかのぼって撮影現場へ(光を操る「未来のカメラ」への挑戦;焦点合わせを変えた画像を自在につくる;「計算機写真術」時代の幕開け;「記録する」から「撮影現場に戻る」カメラへ)
第4章 ピンホールカメラから遠く離れて(見果てぬピンホールの向こう側;計算するカメラたちがもたらす最新型の未来)
著者等紹介
児玉和也[コダマカズヤ]
情報・システム研究機構国立情報学研究所コンテンツ科学研究系准教授。1994年、東京大学工学部電気工学科卒業。1999年、同大学大学院電子情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。文部省学術情報センター研究開発部助手などを経て、現職。画像処理とくに画像の取得や再構成手法の研究に従事。電子情報通信学会平成9年度論文賞、映像情報メディア学会平成23年度丹羽高柳賞論文賞受賞
財部恵子[タカラベケイコ]
編集・ライター。早稲田大学第一文学部史学科卒業後、出版社に入社。一般書籍等の編集を経て、科学雑誌編集部に勤務。約一〇年にわたってさまざまな科学分野の記事を担当。現在はフリーで活動。大学、研究機関などの刊行物で執筆、編集のほか、子ども向け書籍の執筆協力、国立科学博物館をはじめ博物館・資料館の展示解説などに携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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