丸善ライブラリー
新・環境倫理学のすすめ

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  • サイズ B40判/ページ数 215p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784621053737
  • NDC分類 519
  • Cコード C0212

内容説明

京都議定書のような国際協力体制が生まれることを同世代人に向かって期待しながら書いた前著と、京都議定書が誕生すると同時に傷だらけになっている現状で書いた本書との間には、気分的に大きな違いがある。さらに深刻になる環境問題に直面する若い世代に向けて、重い課題を投げ出さないで引き受けてほしいと願う気持ちで執筆したのが本書である。「環境倫理学」の第一人者が、一四年ぶりに書き下ろした、待望の続編。

目次

京都議定書の意義と限界
持続可能性とは何か
石油が枯渇する日
保全保存論争
自然保護と生物多様性
生物学と環境倫理学
ペンタゴン・レポート
自由市場と平等
国際化
リスクの科学と決定の倫理
先進国の未来像
戦争による環境破壊

著者等紹介

加藤尚武[カトウヒサタケ]
鳥取環境大学名誉学長。京都大学名誉教授。日本哲学会前委員長。わが国における環境倫理学、応用倫理学の第一人者。1937年生れ。東京大学大学院(哲学)修了。第7回哲学奨励山崎賞、第6回和辻哲郎文化賞受賞。2000年、紫綬褒章受章
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てち

115
かつては、環境と倫理を融合させて物事を考えていくという発想がなかった。しかし、環境問題についての諸問題が如実に現れるにつれて環境倫理学という考え方が人々に受けいられるようになった。単に、市場経済と民主主義と人権の保護だけでは持続可能な社会を構成することができないのだ。2021/03/31

うえ

7
「公共政策の基本が、持続可能性という長期的な尺度にもとづく最善の選択という軌道を描くためには、市場経済と民主主義と基本的人権の原則が守られるだけでは不十分」市場経済「誰の財産でもない資源の枯渇も…経済的な取引関係の外部にはみ出してしまうから」民主主義「国境を隔てた人々への拘束力を確保するためには、民主主義は決定的に不十分」基本的人権「ヒト以外の生物の種を守ることが、人類の責任として登場してくるときに、人間の権利を守るという原則は、あまりにも狭いから」2019/09/20

もりっち

4
これからの世界は有限的であり、その中で人類が存続していく上で問題なのは、開発途上国の経済成長の遅れではなく、先進国の浪費体制への居座りである。その思いを胸に、環境問題から開発、倫理・哲学を含めて概観的な解説が展開される。内容に馴染みのある章はよかったが、門外漢の部分では内容を理解するのに苦労した。しかし、こうした警鐘が世の中に如何に届いているのかというところに関してはまだまだ課題が多いだろうと思うと、筆者同様、課題の重さには暗鬱とした気持ちにもなる。2018/01/08

なーちゃま

3
①京都議定書が発行してすぐ傷だらけになった様、なぜそうなったか②持続可能性の定義③石油の予測残存量を巡る意見の対立④保全と保存の倫理観の違いとどちらに立つことになるか⑤なぜ自然保護=生物多様性となるのか?⑥倫理学(特に環境倫理学)は生物学の一種ではないかという主張を考える、特に自然主義に関する考察⑦ペンタゴンレポートの内容⑧市場と平等…貧困を無視して温暖化には着手できない⑨国際化に基づく排出量割り当ての問題⑩リスクを明示することが決定にどう影響するのか⑪先進国はどうしていくべきか⑫戦争と環境の連関2019/11/26

四季 彩

2
流し読み。さまざまな問題点を"最初に洗い出す"ことは大切だと思う、そんな人にお勧めの本。この本を読んで興味を持った分野の専門性を高めていくと、それだけでも地球環境の見方が変わるかもしれない。2014/10/12

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