内容説明
「一杯の紅茶」―それは英国では、生活の中での真のゆとり、生活の充足感、洗練された美しさの象徴である…。英国紅茶遍歴ほぼ半世紀年、そして英国紅茶同好会会長も務める英文学者の筆者が、とっておきの英国紅茶にまつわる文化の「香り」高い話題を、珍しい図版を交えて「熱く」語る、紅茶の楽しみ方の真髄。
目次
第1章 英国紅茶とはなにか(精神文化としての紅茶;英国紅茶と日本人 ほか)
第2章 英国紅茶史話(初期の英国紅茶事情;コーヒー・ハウスと紅茶 ほか)
第3章 文学者たちの紅茶(ウォーラーとクーパーの紅茶讃美;ジョンスン博士のティ・カップ ほか)
第4章 英国紅茶余話(ウーロン茶の起源;ティ・ロードとシルク・ロード ほか)
第5章 優雅なアフタヌーン・ティ(ハリントン卿のティ・パーティ;公爵夫人アンナのティ・タイム ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
94
文学と紅茶の話題がある。 アリスの狂った茶会が特に面白い。アフタヌーンティの習慣を知らなかった頃、ブランド名の「アフタヌーンティ」の事かと思って読んだ記憶が...紅茶を飲みながら読みたい。2014/06/08
noko
3
イギリスで紅茶を飲むようになったのは1630年代〜、日本に茶が入ってきたのは9世紀。イギリス紅茶、案外歴史は長くないが精神文化を感じる。イギリス人はMIFmilk in firstが多数。今はポットにティバッグが一般的だが、日本のより大きく量も多い。中国茶好きな人もいて、上流の人。コーヒーハウスは上流男性の社交場で、常連は椅子も決まっていた。女性はコーヒーハウスは入室禁止で、ティガーデンに集まった。歴史的な事も書いてあるのに、アヘン戦争や三角貿易、フォーチュンは語られず。英国の都合の良い事だけ書いてある。2024/12/17
ジュリ
3
アフタヌーンティーをより楽しむための工夫を紹介した本かと思ったら、紅茶の歴史などが紹介されているページ数が多かった。2021/11/13
takizawa
3
トラディショナルなアフタヌーンティーの要素は、キューカンバー・サンドイッチ、苺ジャムとクロテッドクリームを添えたスコーン、ダンディーケーキなどのフルーツケーキ。ということは、都内のホテルのラウンジで提供されるアフタヌーンティーはその大半がオリジナルにアレンジしたもので、伝統に忠実なのはフォートナム&メイソンくらい?『不思議の国のアリス』の「狂った茶会」の章にガンパウダー(という茶葉)を混ぜてパイを焼くエピソードが出てくるとか英文学者らしい解説が随所に見られて面白かった。やっぱりイギリス行きたいなー。2020/09/26
ごへいもち
3
単なる英国紅茶のエッセイとあとがきに書かれているようなものとしては興味深い部分もあった。イギリスではソーサーをディッシュと呼ぶ場合は深めの受け皿で猫舌の人は紅茶をそれに移して飲むとか(ただしあまり上品ではない)。ただ歴史的な記述については???と思うところもあり2010/01/15