内容説明
グラショウ教授は、電磁力と弱い力の統一理論により一九七九年にノーベル物理学賞を受賞し、のちに、チャームクォークの存在を予言した。彼は言う。「なぜだろう」と問いかけるのは人間だけだ、と。ものは何のためにあり、何でできていて、どのように機能するのか。彼をとらえて放さないこの疑問が、遠い宇宙の果てから極微のクォークの世界まで、知的で味わい深い旅へと読者を連れ出してくれる。そしてこの旅で、彼の物理学への深い愛情と文明に対する真摯な態度、そして教育に対する深い愁いも明らかになるだろう。
目次
1章 一物理学者のあゆみ(素粒子物理学と私;カリフォルニアへの国内流刑;物質の神秘)
2章 科学の世界(宇宙の眺め;対数時間で見た生命と宇宙;数のゲーム;われわれの宇宙;われわれは宇宙で独りぼっちか;大きな絵)
3章 物理学者と社会(最後の加速器SSC;トップの座を明け渡して;底辺に合せた教育;戦争と科学者)