講談社文庫<br> 新装版 日本医家伝

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講談社文庫
新装版 日本医家伝

  • 著者名:吉村昭【著】
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  • 特価 ¥345(本体¥314)
  • 講談社(2015/09発売)
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  • ISBN:9784062733557

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内容説明

シーボルトと遊女・其扇(そのおうぎ)の間に生まれ、女でありながら医学の道を志した楠本いね、「解体新書」翻訳の偉業を成し遂げた前野良沢、ロシヤ抑留中に種痘法を習得した中川五郎治など、後に著者によって長編として描かれた人物を含む、わが国近代医学の先駆者である12人の医家たちの苦難の生涯を描きだす傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kei302

62
初めて読んだ吉村作品は『ふぉん・しいほるとの娘』。この短編集にも登場。描かれる男尊女卑に、やり場のない怒りを感じた当時が蘇る。12人の医師・医家が取り上げられている。前例がないから許可が出ないとか、明治時代ですら、医師たちは蔑まれていたことに驚く。生涯を捧げて病人のために全てをかけた医師もいれば、お金大事の医師もいて、後者のほうが、人間臭くて親しみがもてた。2022/02/01

shizuka

51
江戸から明治まで医学を目指した12人の日本人の話。正直現在のこの混沌とした日本に生きていると、どうしても江戸時代、日本が日本たる文化を誇っていた時代に目がいき、一度でいいからそこで暮らしてみたいと恋慕してはため息をついている私だが、生きていれば病にもかかる。病は治したい。痛いのはいや、となると私情を捨て医学を学び現代医療への橋懸かりを作ってくれた先人達に頭はあがらない。報われた人もいれば人知れず死んでいく人もある。医学に貢献した功績は一緒なのに。「時代だから」で片づけるにはどうにもやり切れない話もあった。2016/11/28

すしな

47
111-24.幕末から明治にかけての日本の医療の発展に貢献した人々を紹介している本です。解体新書の前野良沢、シーボルトの娘いねなどが名を連ねていたのですが、「風雲児たち」で読んだ人物像とほぼ一緒だったので、みなもと先生はこの本を参考にされたのかな〜と思ってしまいました。ほかにも海軍のかっけ問題を解決した高木兼寛とか、女性初の医師免許を取得した荻野ぎんとか、独特なバックグラウンドの人が多く登場していて、医学の進歩には単に頭がいい以上に心意気みないなものが大事なのかなと思いました。2024/12/29

mondo

44
山脇東洋、前野良沢、松本良順、笠原良策など多くが後に吉村昭の歴史小説の題材になった江戸時代の医家の短編集。どの医家の話も陰の部分に焦点が当てられていて、興味深い。土生玄碩の短編を読み終えたところで、随前に築地本願寺で土生玄碩の石碑を見ていたのを思い出した。眼科医の名医であったが、シーボルト事件に絡み、蟄居の身となる医家である。また、前野良沢の短編に惹かれ、「冬の鷹」を再読することに。改めて感動した。https://mondo7.hatenadiary.jp/entry/2021/05/25/0014412021/05/05

kawa

38
江戸〜明治時代にかけて活躍の医家12名を描く短編集。医療系雑誌に掲載のものを文庫本化。晩年になって落はくの前野良沢、土生玄碩(はぶげんせき)、相良知安、荻野ぎんらの人生がより興味深い。これらがきっかけで、前野良沢は「冬の鷹」、中川五郎治「北天の星」、笠原良策「めっちゃ医者」、高木兼寛「白い航跡」、楠本いね「ふぉん・しーほるとの娘」中川五郎治「北天の星」などの傑作長編が誕生している。因みに、中川五郎治の編で所在不明とされている彼の墓だが、現在は松前城跡の北側に案内板付きで存在しているようだ。 2024/10/19

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