出版社内容情報
本土に復帰した後も、50年間米軍の特権に悩まされる沖縄。政府は、日本の防衛と引き換えに、アメリカに何を渡してしまったのか。
内容説明
米軍関係者による凶悪事件、東京都心の米軍ヘリ異常低空飛行、基地周辺での新型コロナ感染…半世紀を超えて変わらぬ、日米の“不均衡”。日米地位協定の現場を追いかけた、記者たちの記録。
目次
第1章 取材班始動
第2章 首都蹂躙
第3章 基地の島・沖縄で
第4章 特権の核心
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大泉宗一郎
7
日米地位協定締結60年を機に毎日新聞で特集された連載を書籍化。在日米軍の法的扱いを取り決め、しばしば米兵の「特権」と称され、幾度となく改定が検討されながら現在に至る地位協定。その歪みとして沖縄での事例がよく取り上げられるが、協定は全国各地に適用され、法定高度を無視して新宿を旋回する米軍ヘリや、横須賀で性的暴行を犯した米兵が不起訴となり帰国する例など、日本全体の問題として提起するべく丹念な取材過程が本書で綴られる。米軍駐日の必要性を理解しつつ、主権国家として目に余る所作に物言うことも時には肝要ではないのか。2024/02/12
onepei
1
現実はあるけれども、違和感は持っていないといけない2022/08/25
kotori
0
本の内容もさることながら、新聞記者の取材の仕方がよくわかる本だった。記者たちの熱意が伝わってきたし、低空飛行の実態を追う場面はとても臨場感があった。 やっぱり「知る」ということが大事なんだなと思う。2023/01/14
TorysGirly
0
正直記事の裏側よりは記事のほうが面白いと個人的には思った。米軍の行動は、根本的に例外で済ませられる事があればすべてがそこに集約されていく理不尽を突き付けられた。日本政府も国民ではなく米軍の方を向いて仕事をしている。米国の様な基本的には何十年後かには公開される、公文書公開のシステムはやはり必須だとも。2022/10/02