出版社内容情報
著者もいよいよ70歳! ミリオンセラー『悩む力』から12年、
政治学者で東大名誉教授の姜尚中が人生100年時代に放つ「後半生」の生き方論。
内容説明
人生の曲折を経て、身の丈の豊かさによって叶えられる平穏な生活があることを発見した。どんなプロセスを経て「平穏の文化」にたどり着いたのか、それは具体的にどんなものなのか、ミリオンセラー『悩む力』から12年、古希を迎えた著者の真骨頂!
目次
第1章 コロナ時代を生き抜く(無心になること;新しい「中世スタイル」を楽しむ ほか)
第2章 孤独を友にする(長生きはもっけの幸い;老いは未知との遭遇 ほか)
第3章 老いてなお興味津々(老いて興味津々;出たとこ勝負 ほか)
第4章 妻の教え(無くて七癖;甘えの力 ほか)
第5章 軽井沢での日々、猫のいる暮らし(ホーム・アローン;「猫嫌い」の試練 ほか)
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年、熊本県熊本市に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学准教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授、聖学院大学学長などを経て、東京大学名誉教授、東京理科大学特命教授。現在、熊本県立劇場理事長兼館長、鎮西学院学院長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TAKA0726
14
一握りの「豊かな人々の満足の文化」から「身の丈の豊かさの平穏の文化」へ。生きるコツはプロがアマに語る要領の良さではなく物事の”芯”になるものを指す。コロナ時代では「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」を肝に銘じ苦境に立ち向かうことが大切。仕事などの日常から身を退いて、新しい場所で新しい体験をしこれまでとは違う自分を発見する「リトリート・整修」過剰なもの、装飾的な余剰を排しシンプルライフ徹する「ミニマリズム・最小限主義」スモールイズビューティフルの考え方。音楽や演劇に親しむことでたわみのゆとりが生まれる。2021/02/08
mawaji
8
図書館の新刊本コーナーより手に取りました。漱石に傾倒した若い頃の経験などを踏まえ、著者のコロナ禍における日々の暮らしを乗り切る術が述べられています。年齢とともに食生活や嗜好品も自ずと変わってくる中で、朝起きて白湯を一杯飲む習慣はとてもいいことだと思いました。参考になります。「喫煙の悪癖」のあたりの描写はまさにニコチン依存の状態にほかなりませんが、何とか禁煙することができてよかったですね。「自由と独立と己とに充ちた現代に生まれた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう」夏目漱石2021/06/05
田中峰和
6
長身で物静かで知的な紳士。テレビ受けする姜尚中氏は学術的な評価はわからないが著名な学者。姜氏は熊本県立劇場館長に就任し、例の熊本地震に遭遇している。自然災害だけでなく今回のコロナ禍を含め、人が暮らす限り何らかの厄災はつきもの。緊急事態宣言を連発しても、新たな変異ウィルスの蔓延で、いっこうに収まる気配が見えない。本文執筆時は、ワクチン接種の開始前なので、3蜜対策などの対処法しか出てこない。国内のワクチン接種の遅れが生む、大衆の利己主義から派生したクモの糸状態を氏はどのように評価するだろう。2021/05/31
Mihoko
4
姜尚中さんのファンの方ならとても楽しめる本かな!毎日新聞が出している「私のまいにち」でエッセイとして掲載されたものと知れば納得ですが、このコロナ禍、こういう生活をできる人が何人いるのやら。と思ってしまった。 2020/12/29
ちゅうおうせん
3
コロナ時代を生きる中での物事の芯になるものについて書かれていた。 マスクをし、よく手を洗う。それでも感染したらどうにもならない。自分を見直し、自分の中の新たな可能性を発見する好機。 適度な距離を保ちつつ相互に共通したものを分かち合うのがニューノーマル。 長生きはもっけの幸い。人は脆弱な存在であり、終生、他人の世話を当てにせずに生きられるわけはない。 生きることは食べることも印象に残った。 当たり前のことかもしれないけど、足下を見つめて毎日をしっかり生きる。まずは家族に甘えてみよう。2022/02/01