出版社内容情報
――本書は世の中を揺るがしたスクープの回顧録ではない。生々しい政界の裏話でもない。ただ、SNSを通じて届く人々の声を背に、桜を見る会で何が起きたのか、そもそも何が問題なのかを、問題が発覚してから2019年最後の野党による政府ヒアリング(12月26日)までの49日間、できるだけ分かりやすく伝えようとしてきた記者たちの記録である。
そして、記者の動きを追っていただくことで、日々SNSに流れてくる断片的なニュースにどういう意味があるのか、理解を深めていただくための書である。 ――「はじめに」より
内容説明
明細書のない前夜祭、黒い友達関係、消された招待者名簿…「まるで『脱法内閣』じゃないか!」その時、記者たちが動いた!
目次
第1章 疑惑が生まれた日
第2章 税金と国家の私物化
第3章 消えた明細書
第4章 記者vs安倍官邸
第5章 消された名簿と黒い友達関係
第6章 終わりの始まり
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
96
7年にわたって「新宿御苑」の桜が、安倍首相の私利私欲に遣われた。とても的を射たタイトルだ。第二次安倍官邸の権力の裏側が見て取れる。そして、彼の口先だけの言葉は寒寒しい。言うほどに、その視線は「国民」を見ていない。党内の刃向かう勢力を黙らせ、「忖度」の名のもとに、官僚たちの人事権を手に入れた。いま、彼の悩みのタネ、二人目の現職首相の立場で逮捕されること。そのために、自分の意を酌む検事総長を据え身を守ることなのだ。コロナに立ち向かう、未曽有の危機の最高責任者の任は、今の彼にはあまりに重すぎるだろう。2020/04/15
Sakie
28
今の日本の"忖度"風潮の中で、新聞記者が矜持を懸けて取材した内容を書籍化したとあれば読むしかないではないか。『桜を見る会で何が起きたのか、そもそも何が問題なのか』。デジタル時代の新聞社のありかたを模索する中で、毎日新聞はこの事件について日々の詳報をネット上で報道し続けている。事実の積み重ね、正確な記録が持っている力こそが大きい、それを踏まえて国民は正しく選択できると私は信じたい。私たちはちゃんと監視しているという姿勢を政権にもメディアにも見せることだな。事件が終わらない以上、途中経過である点は注意。2020/03/10
カープ坊や
20
嘘!捏造!改竄!頭から尻尾まで腐り切っている『アベ晋三』 最近のニュースは「コロナ」ばかりなれどこの問題は決して忘れててはいけない。 今後ともこの記者たちの取材に期待したいです。。。。。。。。。続編のタイトルは「枯れた桜」「塀の中に落ちた桜」なんかがいいな〜(゚∀゚)2020/03/09
MK
17
「桜を見る会」「前夜祭」について、毎日新聞の取材班が追ってきた内容について、2019年12月26日までの分について、詳細や様々な問題点をまとめた書籍。 詳しくまとめられていて、様々な問題点を再確認することができた。 本書の「おわりに」の中で、「長い歴史の中で積み重ねられてきたルールが、安倍首相とその周辺の都合のためだけに次々に骨抜きにされてきたのが、この政権で起きていることではないだろうか。」とあるが、まさにそのとおりだと思う。 嘘・言い訳・ごまかし・隠蔽など、本当にもうまっぴらだ。 2020/02/05
Toska
14
つくづく、あのような死に方をするべき人ではなかったと思う。文字通り、墓の中まで全てを持っていってしまった。安倍さん本人も官僚たちも、マスコミや野党の質問に対しまともに答えようとしない。同じ言葉が通じていないのでは、とすら感じる。そして選挙があれば自民党は連勝。このような閉塞感の中で、自棄的なテロルを試みる者が現れてもおかしくない気がする(まだ彼らが英雄視されていないのが救いか)。2022/09/25