出版社内容情報
新元号「令和」に決定! 政界、官界、学界を巻き込んだ、改元までの駆け引きを追う。10数年にわたる取材によって描かれた舞台裏、緊急出版!
内容説明
そこには、ひとりの黒衣の存在があった。政治家、官僚、学者を巻き込んだ駆け引き。7年半におよぶ取材から生まれた圧倒的なドキュメント。
目次
プロローグ 新元号発表前夜の「練習」
第1章 代替わりへ 黒衣による準備
第2章 「保秘」と「祝賀」
第3章 和風元号と「中華」
第4章 公表時期巡る暗闘
第5章 改元と公式記録
第6章 沖縄と元号
エピローグ 新元号取材記
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
243
改元の舞台裏で何が起こっていたのかが、よくわかる一冊。やはり新聞社でも内閣内部でもあらかじめ考えられているんだなと知った。尼子氏というのは初めて知ったけど、まるでスパイ映画のように隠密行動に徹しているのに驚く。あまり表立って動くと目立つし、今後引き継いだ方も匿名で書かれていたので、令和以降の改元にいずれは出る方なんだろうなと思いを馳せた。2019/08/04
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
16
▼2011年から毎日新聞が始めていた、新元号「令和」の選定過程の取材を記録した本である。▼「令和」という新元号が国書から選ばれたのは、現首相の意向だという説もある。しかし、かなり早い段階から学者の側から国書からの選定を提案されていたということがわかった。 ▼内閣官房の職員でありながら「国立公文書館の研究員」という肩書きに身分を隠し、30年間極秘裏にたった一人で「元号選定」に専念していた人物が改元一年前に孤独死したという遣る瀬無い話が出てきた。▼どのような現場でも「黒衣」に徹する者はいるものである…。2019/06/29
ま
15
元号の選定ってなんか名付けの作業に似てる。今回の改元は事前の情報漏れもなく、一定の支持も得られ、一応成功裡に終わったと見てよいと思う。ただ秘密保持と選定過程の公文書化(次代の改元のため)のバランスは今後も検討の必要がありそう。国書にこだわった点や、事前公表に反対し続ける保守派の懐柔など良くも悪くも安倍さん成分強めな感もある。沖縄と元号の章も興味深い。祖国復帰を喜ぶ当時の感覚はそういうことだったのか。とにかく平和憲法の適用圏に入りたいと。2021/06/05
seki
10
タイトルどおり、ベールに包まれた 改元の舞台裏に迫るドキュメント本。よくここまで、取材できたと感心。元号は天皇制と切り離せないものであり、それだけに改元に関わった人たちの苦労は並大抵のものではなかっただろう。印象に残った点は2つ。1つは、新元号の事前公表の問題。元号は新天皇即位後に公表されるべきとする勢力と、国民の生活を考えて事前公表するべきという勢力がかなり対立していたという点。2つ目は、先の大戦で、犠牲となった沖縄県民の天皇象徴的な元号への複雑な思い。令和という時代が平和であり続けますように。2019/09/21
hitotak
7
「令和」発表当日の舞台裏、密かに続いていた改元準備、元号の歴史や選定手順の変遷などが分かりやすくまとめられている。新元号公表時期について直前まで決まらなかった理由についても詳しい。かつての琉球王国は中国と日本の元号を併用し、日清戦争までは清朝の元号「光緒」が広く使用されていた事など初耳の話も多く面白かった。しかしなんといってもたった一人の元号業務担当者であった尼子氏の存在に光を当てた箇所が一番の読みどころだろう。国家には他にもこのように隠された役職があり、陰になり尽力している役人がいるのだろうか。2019/09/23