内容説明
もう黙っていられない―最前線の腫瘍内科医が、魂を賭けて語る「がんの真実」近藤誠医師に告ぐ!
目次
1章 “抗がん剤は効かない”のか?(抗がん剤が「効く」「効かない」とは?;抗がん剤はなぜ嫌われるのか ほか)
2章 がんには“もどき”と“本物”がある?(“がんもどき理論”を検証する;臨床試験のデータは“捏造”されている? ほか)
3章 “がんとは闘わない”ほうがいい?(“がん放置療法”は人体実験;正しい治療選択のために ほか)
4章 がん治療何を信じればいい?(正しい情報を得るために;ガイドラインがなぜ大事なのか ほか)
著者等紹介
勝俣範之[カツマタノリユキ]
1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大学卒業。92年より、国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て2003年、同薬物療法部薬物療法室医長。04年、ハーバード大学公衆衛生院留学。10年、国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科外来医長、11年より日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授。専門は、内科腫瘍学会全般、抗がん剤の支持療法、臨床試験、EBM、がん患者とのコミュニケーション、がんサバイバー支援など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
73
近藤誠医師の「がんもどき理論」や「放置療法」に対して、腫瘍内科医である著者が医学的データを示しながら、いかにインチキ理論であるかを検証している。そもそも、がんを治療しないで「放置療法」と名づけていること自体が笑ってしまう。「がんもどき」もそうだ。「がん」にもどきがあったら、胃がんで手術を受けた自分は今ごろ生きていないだろう。勝俣医師の憤慨は抑制気味の文章だが、正論で真っ当である。世の中には、時に信仰めいたものに取り憑かれる人がいることは否めない。死を早めないためにも、自分の頭で考えて読んでほしい。 2015/05/04
くさてる
15
一般的ながん治療を批判して抗がん剤は効かないなどの主張をしている近藤誠医師への反論本。とてもバランス良く気を遣った文章で、なおかつ専門的な内容を分かりやすく説明しようとされているのが伝わってくる。医師としての良心、専門家としての矜持を強く感じた内容だった。近藤氏への反論を通じて、現在のがん治療についても学ぶことが出来る一冊。2014/07/29
ロッキーのパパ
14
近藤誠医師の主張に反発を覚える医師達の意見を代表するような本。書かれている主張はほぼ正しいと思うし、共感&納得もできる。 ただ、専門用語が多い点や結論がはっきりしない物言いがある点で、近藤誠医師の本より弱い気がする。この本の内容が医学に関心がない普通の人に届くか疑問に感じる。2015/09/22
ほじゅどー
10
★★★近藤誠医師の理論に対して、感情的にならずに、冷静かつ公正に反論している。「抗がん剤は効かない」「がんと闘うな」「がんもどき」「がんは放置しろ」という近藤理論を鵜呑みにしてしまう一般の人たちも少なくないと思う。この本を読めば近藤理論の放置療法などには倫理的にも大きな問題があることがわかる。2014/08/11
coldsurgeon
6
「近藤本」に対する、明確に書かれた反論です。「がん放置療法」が最良の治療法であるはずはなく、かなりすっきりします。がん治療にかかわる医療者も、必読だと思う。2014/04/16