内容説明
20世紀末は危機迫る“時代の断崖”だ。繁栄の絶頂から、たちまち世界大戦へとなだれ込んだ19世紀末と酷似した時代相。元全国サラリーマン同盟代表の著者が世界史の発する警告をよみ現代の危機を訴える。
目次
はじめに 世紀末世界史をどう読むか―世紀末の意味と日本への役割
フランス その世紀末―パナマ事件が遺したもの
ドイツ 変身する国家―充たされない不満の行方
アメリカ ハッピー追求の国家―無邪気な使命感と正義感
イギリス 日が沈んだ国―最大の海外投資国の衰退
ソ連 死につつある帝政―平等は自由に負けたのか
中国 繰り返す王朝興亡―世界の孤児への道を歩むか
クウェート アラブの中の異端―見過ごされた危機管理
不信と反感が生み出すデカダンス―頽廃のウィーン、みだらなパリ
偽善への反発・ダンディズム―ワイルドからサッチャーまでの系譜
資本主義の基盤・プロテスタンティズム―地に落ちたモラリティを救うものは
挫折しつつ時代を拓くフェミニズム―近代化への社会的効用
誰がビスマルクを超えるのか
第二ヴァイオリンを弾く人々
時代を射抜く―三島由紀夫とジュリアン・ソレル
悲劇を呼んだ不決断の人々