内容説明
家康か、三成か。秀吉没後、武勇を誇る島津家を自陣に引き込もうと、触手を伸ばす東西両勢力。義弘と精鋭の薩摩隼人らは運命の地、関ヶ原を目指す。島津は、島津の戦いをするのみだ!―決戦の終幕、眼前を平然と進軍する島津勢の豪胆さに東軍は震撼した。天下人を相手に改易、減封を許さなかった知略を尽くした“敗者の勝利”を描く巨編。
著者等紹介
近衛龍春[コノエタツハル]
1964年埼玉県生まれ。大学卒業後、オートバイレースに没頭。その後、通信会社勤務、フリーライターを経て『時空の覇王』シリーズで作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ryo0809
2
老醜を晒した秀吉が没し、野心を露わす家康。その術策に嵌り、ついに決起する石田三成。東西どちらかにつくか、本宗家とは異なる決断を迫られる義弘。島津の誇りを掲げ、敗地から虎口を突破して薩摩に戻った義弘は、家康の圧力にも果然として対抗する。戦上手だけでなく、外交にも優れた手腕を発揮した義弘だったが、島津家の統制と存続をかけて、同族の伊集院忠眞を殺める…。武と知。誇りと汚れ。誉れと穢れ。島津の危難に立ち向かった武将の半生を生き活きと描き、その後、明治維新に続く礎を築いた漢の物語といえよう。2024/02/19