内容説明
平安京建都から約百三十年後。棄都となった長岡京で、一人の少女が泣いていた。名は茨木。いま母と死別し、四歳にして天涯孤独。顔も知らない父「ふじわらのひでさと」を探しに平安京を目指して旅立った―。妖鬼の牙にかかり、「鬼」となるべき宿命を背負った少女。その幸福を求める旅路を縦軸に、金太郎、藤原純友、安倍晴明、藤原道長、「蜻蛉日記」の著者・藤原道綱母などの活躍が物語を彩ってゆく。
感想・レビュー
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maekoo
12
毎日新聞日曜連載の平安建都千二百年記念小説で挿絵はなんと歴史画が得意で目に特徴があり色彩が美しく品位のある絵の日本画家の森田曠平画伯しかもこれが遺作! 作は子連れ狼等時代劇に大きな影響と痕跡を残した小池一夫氏で、茨木と言う薄幸な少女が妖鬼に魅入られ、鬼に化身する定めを負い、山姥とその子金太郎との出逢い、同じ様な境遇の若き安倍晴明と陰陽師賀茂忠行らと鬼女の戦い、菅原道真の祟り、優しき盗賊藤原保輔と関白忠平の関係、海賊藤原純友との出逢い等歴史上や御伽話の人物達が交差するワクワクドキドキのスーパーお伽草子です!2023/05/16
ナナシ
1
図書館にて借りる。漫画版から入ったのだが、こちらの方は晴明の話も多くて楽しみ。印の結び方など、言い回しや言葉に分からないことは多々あるがそれも面白い。夢枕獏の陰陽師にも手を出したいと思った。2021/05/17