出版社内容情報
ピーター・スワンソン[ピータースワンソン]
著・文・その他
棚橋志行[タナハシシコウ]
翻訳
内容説明
出版社に勤める中年男性ジョージは会社帰りの金曜日、バーで魅惑的な女に目を奪われる。それは学生時代に“死んだ”はずの恋人リアナだった。「ある男に狙われていて助けてほしい」―関わるべきでないと知りながらジョージは否応なくリアナの言葉に引き込まれてゆくが、やがて周囲で殺人事件が起き、自らが容疑者としてとんでもない悪夢の渦中にいると気づく…先読み不能の極上ミステリー!
著者等紹介
スワンソン,ピーター[スワンソン,ピーター] [Swanson,Peter]
2014年に本書(原題The Girl with a Clock for a Heart)で長編ミステリー作家としてデビュー。2作目のThe Kind Worth Killingが英国推理作家協会(CWA)賞の最終候補にノミネートされ、邦訳版『そしてミランダを殺す』は「このミステリーがすごい!2019年版」海外編2位に輝く。現在はマサチューセッツ州で妻と猫と暮らす
棚橋志行[タナハシシコウ]
東京外国語大学英米語学科卒。出版社勤務を経て英米語翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
61
スワンソンのデビュー作。美しく魅力的なリアナは信じるに値するのか、それとも稀代の悪女なのか?大学時代の恋人リアナに20年後に再会したジョージ。大学時代に"死んだはず"の彼女からのお願いを引き受けたジョージは否応なしに悪夢のような事件に巻き込まれていく・・。過去と現在が交互に描かれ、果たして過去に何が起こり彼女は"死んだ"のか徐々に明らかになっていく。魅惑的で周囲を破滅に導く女性と破滅に引きずられていく男性と心の揺らぎ。そして驚きの真相。デビュー作からスワンソンのミステリの原型がたっぷりつまった1冊。2022/10/23
stobe1904
31
【ピーター・スワンソンのデビュー作】出版社に務めるジョージは、大学入学時に交際していた女性リアナと20年ぶりに再会する。関わるべきではないと思いながらもリアナを助けることになるジョージだが、やがて殺人事件が起こり巻き込まれる…。『そしてミランダを殺す』のインパクトには及ばないが、不穏な雰囲気が漂う中、先が読めない緊張感を持たせる展開はこの作品でもいかんなく発揮している。次作が待ち遠しい。★★★★☆2023/04/30
神太郎
26
作品が常に話題に上がる著者。幻のデビュー作を手に取る。実は著者の作品は読んだことがなかったので、どんなもんかと。デビュー作なだけに荒削りな感じはある。他の感想にもあるが主人公が清々しいほどに純?なのか、腹に一物抱えてる女性をこうも信じるもんかね?とか、もう少し単独行動控えろよとかまぁツッコミどころは多いわけです。何度か引き込まれそうになる瞬間もあるから、決して面白くないわけではないけど、主人公のせいでかいまいち乗れなかった。今のスワンソン作品のタイトルに倣うなら確かに人名は絶対に入りそう。2023/12/14
アプネア
25
行きつけのバーに現れたのは、大学時代に死んだはずの恋人だった・・・。処女作にはその作家のすべてが詰まっているというが、「ミランダ」「ケイト」「アリス」と続けて読んだ上での本書は、まさにその通りといえる。全く先が読めない鮮やかなサスペンスは勿論のこと。通底するテーマ、ファム・ファタルに翻弄される男と言う点においては、国内では「白夜行」が近いのかな…。ただ、作中でも触れられていたが、彼女に都合よく事が運び過ぎてるようなツッコミもある。2022/11/11
タナー
24
今年ハマった作家のひとり、ピーター・スワンソンのデビュー作とのことで期待していたのだが。創元推理文庫のシリーズとは違う翻訳家で、読んでいる間中何かモヤモヤ、ワケわからん。これは絶対、翻訳がよろしくない。スワンソンの作品を私がこれまで読んできた感じでは、過去と現在が交互に語られ、それが繋がった瞬間に面白さが倍増されるパターンなのだが、この作品は過去なのか現在なのかがそもそも分からず、理解に苦しむ。何でわざわざ違う人の翻訳で?務台夏子氏の訳で読みたかったな。2023/12/09