出版社内容情報
私は自ら幸せを捨ててしまった。
ボスに恋心を打ち明けたばかりに。
「1年だけ、妻になってほしい」冷徹なボス、アレスの突然の提案。
1000万ドルと引き換えに、秘書のドリーは契約結婚を受け入れる。
だが、契約書に署名した直後、心の奥からこぼれ落ちた愛の告白。
アレスは激しく怒った。きみは秘書としての一線を越えた、と。
そのまま彼は母国ギリシアへ旅立ち、そして――事故に遭った。
7週間後、昏睡から目覚めたアレスからドリーのもとに電話があった。
だが、彼は結婚したことも、あの夜の言葉も覚えていなかった。
「お願いだ、婚約者として一緒に来てくれ」
記憶を失った彼の懇願に、ドリーは揺れる。
偽りの愛のはずだったのに、彼のまなざしはあの日よりも優しくて。
これはやり直しのチャンス? それとも……。
彼と一緒にいられるだけで幸せ――そう信じて、ドリーはボスの故郷ギリシアで婚約者としてふるまいます。でも、愛の告白さえ覚えていない彼の便利な秘書でいるのはつらすぎて……。お金で結ばれた関係でも愛されたい。ただの秘書ではなく、一人の女性として。